中国 2030年までの月面着陸に向け着々と準備進む

2023-06-09 15:06:58  CRI

 中国工程院(中国の工学科学の最高諮問学術機構であり、政府の諮問機構でもある)院士、中国有人宇宙飛行プロジェクトの周建平チーフディレクターは、このほどメディアに対し、中国の有人月探査プロジェクトの進展状況について説明しました。

 周氏によりますと、中国の有人月探査プロジェクトの月面着陸段階のミッションは既にキックオフしており、2030年までに中国人として初の月面着陸を目指しています。ただ、有人宇宙ステーションへの着陸と比べると、有人月面着陸ははるかに困難だということです。周氏によりますと、現在の最大の構成は三つのモジュールからなる中国宇宙ステーションにさらに2隻の有人宇宙船と1隻の貨物船が結合する状態で、重量は約100トンになります。しかし、有人月面着陸の実現には、地球低軌道(LEO)に送り届ける積載能力換算で1回につき130~140トンが必要になると見込まれています。そのため、現在検討しているのは、ロケットが有人宇宙船と月面着陸機を2回に分けて月周回軌道に送り、両者が月周回軌道上でランデブーし、ドッキングするという案です。

 周氏は詳しい流れについて、「まず、有人宇宙船で月周回軌道に向かい、着陸機とドッキングした後、宇宙飛行士が着陸機の中に入る。着陸機の月面降下後は、搭載している探査車を使えば、宇宙飛行士の活動範囲が広がり、効率を高めることができる。ミッションの完了後は、着陸機の上昇機が宇宙飛行士を月周回軌道まで送り帰し、宇宙飛行士は軌道上で有人宇宙船とドッキングした後、有人宇宙船に乗り込んで地球に帰還する」と説明しました。

 周氏はさらに、「現在、中国は既に有人月面着陸の能力を備えており、それほど遠くない内に、エンジニアリングの開発作業を終える予定だ。2030年までの月面着陸と月面での科学調査活動、そして地球への順調な帰還というミッションは予定通りに実現できる見込みだ」と話しました。(Yan、坂下)

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