中国 超高速風洞完成 宇宙機打ち上げ費用が9割削減の見込み

2023-06-09 13:25:33  CRI

 中国の国家重大科学研究機器開発プロジェクト「爆轟駆動超高速高エンタルピー衝撃波風洞」(JF-22超高速風洞)のプロジェクト終了検証会議がこのほど行われました。専門家チームは全会一致で合格と決定しました。

 風洞は空気力学の研究と実験で最も広く使用されているツールで、超高速風洞は超高速飛翔体の開発にとって大きな意義があります。JF-22超高速風洞プロジェクトは北京懐柔科学城に設置されている、中国の国家重大科学研究機器開発プロジェクトで、2018年に正式にスタートし、開発期間は5年です。報道によると、JF22超高速風洞は全長167メートル、ノズル出口の径は2.5メートル、試験モジュールの直径は4メートルで、世界最大の風洞実験機器とされています。

 風洞で作り出された人工気流が飛翔体に吹き付けられることで、飛翔体が空気中を飛行するのと同じ状況が生まれ、風洞は飛翔体の飛行環境をシミュレートすることができます。JF-22超高速風洞は分子解離が支配する複雑な媒体の超高速流動の法則を明らかにすることができ、中国の宇宙と地上を往復する輸送システムや超高速航空機の研究開発を力強くサポートし、空気力学の発展を推進し、宇宙飛行の先端技術の研究開発能力を高める上で大きな意義があります。科学者は、「JF-22超高速風洞は宇宙と地上を往復する宇宙機(人工衛星、宇宙船、宇宙探査機といった大気圏外を飛行する機械の総称)の開発を目的としており、宇宙機の打ち上げ費用を大幅に削減し、90%削減も可能かもしれない」と述べました。(ヒガシ、坂下)

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