「教育を受けることで運命は変えられることを確信している」中国初の民間人宇宙飛行士

2023-06-09 14:52:10  CRI

 中国の有人宇宙船「神舟16号」がこのほど3人の宇宙飛行士を乗せて中国宇宙ステーションに向かいました。今回の飛行任務には初めて民間人が参加しています。北京航空航天大学の36歳の桂海潮教授です。彼は中国西南部雲南省の小さな町、保山市施甸県出身です。辺鄙な町の男の子から中国初の民間人宇宙飛行士になった桂海潮氏は「教育を受けることで運命は変えられると確信している」と語りました。

壁一面に賞状が貼ってある粗末な家(中華全国学生連合会より転載)

 桂氏の幼馴染は「私の家は彼が通っていた中学校の敷地内にあり、毎日の夕暮れ、食事をしているときに彼が大声で朗読し、暗唱しているのを聞いていた。子どもの頃は遊びに夢中だったので、よく父に引っ張られて、彼が勉強している様子を見に行かされた。目の前にいるのが、未来の宇宙飛行士だとは思いもよらなかった」と思い出を語りました。

 桂氏は漢族ですが、故郷の施甸はタイ族の集落で、「施甸」はタイ語では「美しい平野」を意味します。そこで桂氏と一緒に育った尹成程さんは高2の時に起きた、桂氏の人生を決定づける「大きなできごと」について、「当時、有人宇宙船『神舟5号』が打ち上げに成功し、楊利偉氏が中国初の宇宙飛行士となった」と紹介しました。桂氏の宇宙飛行の夢はまさにそのときから根付いたのです。その2年後に、桂氏は大学入試でよい成績を収め、第一志望で北京航空航天大学宇宙学部飛翔(ひしょう)体設計・工学科に入学しました。その年に同大学が雲南省から採用した理科系の学生の中では最高点でした。桂氏は学部生から博士号を取得するまで同大学で勉強し、その後カナダに赴き博士課程修了後の研究生として研究に従事しました。その後、2018年には31歳の若さで母校の博士課程指導教授に就任しました。

 中国の大学入試は毎年6月7~9日に行われます。今年もまた大学入試の時期になり、桂氏のサクセスストーリーは、夢を追う多くの少年たちの励みになっています。(Mou、坂下)

宇宙ステーション内の桂海潮飛行士(左から1人目、中国有人宇宙事業弁公室のビデオからのスクリーンショット)

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