【CRI時評】米高官が代わる代わる「出陣」しても中東和解の歩みを阻めない

2023-06-08 15:04:14  CRI

 ブリンケン米国務長官は6日から8日までの日程でサウジアラビアを訪問している。米高官が今年に入って同国を訪問するのは、4月のバーンズ中央情報局(CIA)長官、5月のサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)に続き3回目だ。なぜそれほどまでに頻繁なのか。ロイターによると、米国は同盟国であるサウジアラビアとの関係安定化を望んでいる。

 ブリンケン氏がサウジアラビアを訪問した同じ日に、中東では二つの出来事が発生した。一つは、イランの在サウジアラビア大使館再開で、これは両国が中国の仲介で国交回復を宣言した後の二国間関係におけるもう一つの象徴的な進展だ。もう一つが、サウジアラビアのムハンマド皇太子兼首相が同国を訪問したベネズエラのマドゥロ大統領と会談したことで、双方は協力の見通しと各分野での協力強化の機会を展望した。

 中東では、同盟国が一つまた一つと米国のシナリオに従わずにカードを切るようになり、「米国離れ」がより顕著になっている。こうした状況は、平和を愛する人にとっては歓迎だが、「米国は例外」もある。例えば、今回のブリンケン氏のサウジアラビア訪問に関して、ベナイム米国務副次官補(アラビア半島担当)は、米国は引き続き中東に留まり「他のライバルが埋める空白を残すことはしない」と率直に述べている。

 近年、戦略の重心が移転したことや中東のエネルギーに依存しなくなったことにより、米国とサウジアラビアなどの中東の同盟国との「石油と安全保障の交換」のつながりはより緩やかになってきている。アラブ政策研究センターが2022年にアラブ14カ国を対象に実施した世論調査によると、回答者の78%が、米国が中東における最大の脅威であり不安定の出どころであるとの認識を示した。米国は、中東で最も歓迎されない役柄に成り下がるのに甘んじず、高官を頻繁にサウジアラビアに派遣している。その主な目的は、中東での地政学的変化の発生をできるだけ早く阻止し、サウジアラビアとの関係安定化を通じて中東の同盟体制を挽回することだ。

 しかし、どんなに多くの外交手配を行っても、中東の和解という大勢を変えることは難しい。中東が団結して自主発展を求めるという新たな変化の一方で、米国が陣営対抗の扇動に夢中になるという古い思考がある。中東でうねる「和解の波」は、米国の研究者グレゴリー・ゴース氏の「米国が中東で一人勝ちする時代はもう終わった」との見方を証明している。(CRI論説員)

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