【観察眼】「一帯一路」は沿線諸国の発展を後押しする「高速道路」

2023-05-28 17:28:27  CRI

 東南アジア初の高速鉄道となるインドネシアのジャカルタ-バンドン高速鉄道では22日、総合調整と試験が始まった。同鉄道建設の大きな進展であり、全線開通に向けての土台を固める作業だ。同鉄道は中国とインドネシアの質の高い「一帯一路」共同建設の旗艦プロジェクトであり、中国が地域諸国と共に協議し、共に建設し、共に享受することを堅持して、互恵ウィンウィンの協力を深化させるモデル事業でもある。同鉄道が開通すれば、現地の人々の生活に大きな利便性が提供され、インドネシアおよび地域の発展に強い力を注ぐことになる。

 今年は習近平国家主席が「一帯一路」イニシアティブを提起してから10年目だ。中国と「一帯一路」沿線諸国はこの10年間、互恵とウィンウィンの協力を深めてきた。貿易と投資の規模は堅調に拡大し、インフラの相互連結はたえず強化されてきた。中国は今年1月6日時点で、すでに151カ国と32の国際機関と200件余りの「一帯一路」共同建設協力文書を締結している。「一帯一路」がカバーする範囲は全世界のGDPの30%とエネルギー備蓄の75%を占めている。「一帯一路」は世界人口の60%に恩恵をもたらす仕組みになった。

 貿易面については、2013年には1兆400億ドルだった中国と「一帯一路」沿線諸国との貨物貿易額は、2022年には2兆700億ドルと倍増した。年平均成長率は8%だ。投資面では、この10年間で中国と沿線諸国の双方向の投資額は累計2700億ドルを超えた。2022年末までに、中国企業が沿線諸国に建設した経済貿易協力エリアへの投資は累計571億3000万ドルに達し、現地で42万1000人分の雇用を創出した。工事建設の面では、中国が沿線諸国で請け負った工事の新規契約額は1兆2000億ドル以上、売上高は8000億ドル以上に達して、中国による対外請負工事総額の過半を占めた。

 カンボジアのシアヌークビル港経済特区は中国とカンボジアが「一帯一路」を共同建設する象徴的なプロジェクトだ。同特区はこの10年間、目覚ましく発展してきた。現在では世界各地から175社の企業が入居し、3万人近くの雇用を創出している。カンボジアのフン・セン首相は22日、カンボジアは「一帯一路」協力への参加によって実に現実的な利益を得ていると述べた。

 今年4月には中国-ラオス鉄道の国際旅客列車の運行が始まり、5月23日までの累計乗客数は1600万人に達した。この鉄道を利用してラオスの山間部に住む若者が故郷の外に出て、世界に溶け込むことができるようになった。貨物輸送では2021年12月の開通以来、鉄道を通じて中国に輸出されたラオスとタイの貨物が326万トンに上った。東南アジア諸国連合(ASEAN)の多くの国の貨物輸送がこの「黄金の輸送ルート」を利用するようになった。現在ではラオスのもち米、タイのドリアンがわずか3日で中国人消費者の食卓に運ばれている。ラオスのソマート副議長は26日、「山を越え川を渡る中国-ラオス鉄道が、『内陸封鎖国』だったラオスが抱いてきた、各国を結ぶ交通の枢軸となる『陸上連結国』になる夢を実現させた」と述べた。

 また、中国・パキスタン経済回廊はパキスタンの経済と社会の発展のための堅固な基礎を打ち立てた。同経済回廊はパキスタンに累計254億ドルの直接投資をもたらした。売上高は累計175億5000万ドルに上り、パキスタンに累計19万2000人の雇用を創出した。中国・パキスタン経済回廊はさらに6000メガワットの発電、510キロに及ぶ高速道路、886キロの国家中核送電網の追加を後押しした。

 中国は今年、第3回「一帯一路」国際協力サミットフォーラムを開催する。中国は次の10年に向けて、各国との相互連結と共同発展の推進に力を入れていく。カンボジアのフン・セン首相が述べたように、「一帯一路」イニシアティブは「いかなる国をも敵にしておらず、いかなる国の発展も妨げない」ものだ。日本政府が、「一帯一路」という「特級列車」に乗車したいという自国企業の要望に積極的に応え、中国と手を携えて地域と世界の経済発展に貢献することを期待する。(CMG日本語部論説員)

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