【CRI時評】汚染水の海洋放出計画、知恵を絞る日本政府

2023-05-23 09:12:50  CRI

 このほど開催された先進7カ国首脳会議(G7サミット)で福島の放射能汚染水海洋放出計画を「美化」しようとする日本の政治家のもくろみは再び空振りに終わった。反対の声が大きすぎたため、首脳コミュニケには、日本の海洋放出計画を「歓迎する」などの文言は盛り込まれず、「国際原子力機関(IAEA)による独立した調査を支持する」との表現にとどまった。

 この結果は意外でもなんでもない。今年2月に日本のメディアは、「日本政府は4月のG7気候・エネルギー・環境相会合の成果文書に海洋放出計画を歓迎するとの内容を盛り込むことを目指しているが、ドイツなどが一貫して反対の姿勢を示しているため、見通しは楽観できない」と報じていた。案の定、4月の会合の共同声明には日本側の見解は盛り込まれなかった。ドイツのハーベック経済・気候保護相は記者会見の場で「放射能汚染水の海洋放出を歓迎できない」と抗議した。

 しかし、日本政府は諦めることなく「迂回(うかい)戦術」をとった。今回のG7サミットで日本側は参加した各国要人や報道関係者に福島県産の食品、酒、菓子などをわざわざ提供して「海洋放出計画への一層の理解」を得ようとした。

 「海洋放出計画」が海洋生態系と人類の健康に計り知れない危害をもたらすことが、ますます多くの研究で明らかになっている。日本側は、多核種除去設備(ALPS)で浄化処理された放射能汚染水は安全で無害だと主張しているが、実際には、福島の放射能汚染水には60種余りの放射性核種が含まれる上、濃度もとても高く、現在の技術では完全にろ過・分解できない。国際環境NGOグリーンピースや専門家らも、日本側は自国の政治と財政に奉仕するため国際社会に対して「一連のうそを捏造(ねつぞう)」し、他の手段を尽くすことなく放出して終わりとするのは「非常に無責任だ」と相次いで指摘している。

 IAEAは日本の海洋放出案に対する最終評価報告書をまだ出していないが、日本政府は「矢をつがえた」構えをとり、海洋放出のための工事は6月末までに完成し、7月末には太平洋に放出すると主張している。(CRI論説員)

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