北京
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中国東南部の江西省南昌市第一病院看護部元主任で、第39回ナイチンゲール記章の受章者である章金媛さんはこのほど、国際看護師協会(ICN)とフローレンス・ナイチンゲール国際財団理事会から2023年の国際功労賞を授与されました。同賞は世界の看護介護界で最も名高い賞の一つで、2年に1度、全世界から選ばれた看護師1人に授与されます。
章金媛さんは中国江西省南昌生まれで、若い頃に香港に移りました。1949年には新中国で看護師が大幅に不足していることを知り、旦那さんを説得して生後わずか6カ月の息子さんを連れて南昌に戻り、南昌第一病院での勤務を始めました。それ以来、章さんは看護の仕事をずっと続けてきました。
章金媛さんと南昌市第一病院の看護師の集合写真
多くの人は、看護の仕事と創意工夫は関係ないと思いがちですが、章さんはいつも注意深く、新しい看護の方法を見出そうと模索を重ねてきました。例えば、章さんは毎日の看護作業で、看護師が病室でシーツを交換するたびに、患者は痛みをこらえてベッドを離れ、ドアの外に走り出ることに注目しました。何度か尋ねたところ、患者は布団カバーを取り替える際に舞い上がるほこりを避けていたと分かりました。章さんはそこで、仕事を終えて帰宅した後、布団カバーの外し方を繰り返し試した結果、最終的に「内折り法」というやり方を探り出しました。この方法ならば舞い上がるほこりが半分以下に減るので、今も臨床で使われています。
章さんは40年余り臨床看護に従事し、30件余りの新たな方法を編み出しました。章さん創立した巡回看護制などの理論は、看護の教科書にも記載されています。
章さんは退職後もボランティア活動の第一線で活躍しており、94歳になった現在では、個人のボランティア活動時間が延べ2万6055時間に達しました。71歳になった2000年には、16人の退職者を組織して江西赤十字ボランティア看護サービスセンターを設立し、コミュニティーボランティアサービス体制を率先して構築し、看護の専門的実践を住民コミュニティーにまで広げました。当初の参加者は章さんを含めて17人の退職看護師でしたが、現在では1万9251人のボランティアチームに成長し、350カ所余りのコミュニティーの70万人以上にサービスを提供するだけでなく、そのサービスモデルを中国全国19の省・直轄市・自治区や米国、日本などに広めました。
章さんは、「以前から、100人の高齢者を大切にお世話し、彼らの多くを100歳まで生きられるように努力するという目標を設定していた。ボランティア活動を通じて、皆さんに健康な高齢者になる方法を知っていただきたい。できることは何でもする」と語りました。(非、鈴木)