科学者 細胞を使った初のセンチメートル規模の魚肉を培養

2023-05-17 14:00:13  CRI

 浙江大学生物システム工学・食品科学学部の副学部長、劉東紅教授と生命科学学部の陳軍教授が率いる魚肉細胞培養チームは16日、大連工業大学の朱蓓薇院士のチームと共同で、幹細胞分離、工場培養、組織構築技術を通じて、細胞培養による国内初のセンチメートル規模のフウセイの切り身の合成に成功したと発表しました。研究論文は『ネイチャー』(国際的な総合科学ジャーナル)関連の『npj-食品科学(npj Science of Food)』に発表されました。

 魚肉の細胞培養は、本来は試験管内で動物の幹細胞を通して細胞の増殖と分化を行うプロセスです。肉の細胞培養は将来、人類が必要とする食用肉とタンパク質の問題を解決する極めて大きな潜在力を秘めており、肉用動物を飼育することによる水資源や土地資源への高い依存度を減らすための技術の一つとされています。

 科学者は細胞培養でできた切り身の外形を子細に分析すると共に、その細胞数、筋肉細胞と脂肪細胞の割合、硬さ、粘度、弾力性などの特徴と実物のフウセイの筋肉組織と比較して研究を行いました。劉教授は「これらの指標から見ると、両者は非常に似ている」と述べています。

 劉教授はまた、「細胞培養による魚肉が食卓にのるまでには、まだ多くの安全性評価が必要だが、引き続き技術が深まるのにつれて、必ず近い将来に量産できると信じている」と述べ、この技術は今後、異なる魚類、さらには他の動物の細胞を使って良質なタンパク質を培養する上で新しいアイディアを提供すると共に、海洋魚類資源の保護にとっても重要な意義を持っているとしています。(Mou、坂下)

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