【CRI時評】米国の児童労働問題は今もなお、驚くべきものがある

2023-05-12 11:39:11  CRI

 米紙「ニューヨーク・タイムズ」は最近になり、米国の児童労働問題に関する記事を掲載した。記事には、シカゴの小さなファストフード店で、うつむいてスマートフォンを見る少年の姿の写真が添えられていた。この15歳の少年は工場で夜勤の仕事をしているという。

 米国連邦法では、18歳以下の未成年者が危険な仕事に就くことを禁じている。しかし、米国で1938年に成立した公正労働基準法は、危険でない職種であれば14歳以上の未成年者を雇うことができるとされている。ニューヨーク・タイムズ紙の写真のような15歳の児童労働は、法の盲点だ。

 非営利団体の「米国農場労働者健康センター」によれば、米国では30万人から80万人の未成年者が農場で働いている。10歳未満の者もいるという。米政府の報告書によると、農場では毎年10万人の児童労働者が労働中に負傷している。

 米労働省の統計によると、2022年には数百万人の米国の青少年が農業、食品サービス、小売、娯楽、建設業界で雇用されていた。大多数が移民の子だ。ロイター通信は、米国で違法に雇用されている児童労働が2018年以降、70%近くも急増したと報じた。新型コロナウイルスの大流行後、米国企業は人手不足を緩和するために、未成年者を募集する広告を次々に出すようになった。ウィスコンシン州などでは深夜午後11時までの時間外労働を認める法も成立するなどで、児童労働の雇用が急増している。

 労働する未成年者には投票権がなく、米国のいかなるレベルの政府の意思決定にも影響を与えることはできない。彼らのために代弁する利益代表者もいない。現在でも、米国は国連加盟国193カ国の中で唯一、子どもの権利を保障する条約を批准していない国だ。子どもの権利も守れない国が、どのような「文明国」なのだろうか。「人権」について何を語ろうと言うのだろうか。(CRI論説員)

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