中国がジャガイモ育種技術でブレークスルー実現

2023-05-06 15:50:03  CRI

 中国農業科学院のジャガイモ育種に関する最新の研究成果が4日、国際的科学誌「セル」に掲載されました。発表されたのは、ジャガイモの育種周期を従来の10〜12年から3〜5年に短縮する研究です。これにより、中国がジャガイモ育種の基礎理論と技術において世界をリードするレベルに達したことが示されました。

 この研究は、中国農業科学院深セン農業ゲノム研究所の黄三文氏のチームによるもので、ジャガイモに含まれるナス科植物のゲノム100個の分析を通じて累計12億年にもわたるナス科植物の進化を追跡し、「進化レンズ(evolutionary lens)」という新技術を開発しました。

 この技術により、ジャガイモ育種を阻害する「ゲノムの暗礁」と呼ばれる有害な突然変異の早期発見が可能になり、誤った方向性の育種を避け、育種の過程を短縮できるということです。

 ジャガイモは世界13億人の主要な食糧で、中国で4番目の食糧作物でもあります。しかし、ジャガイモのゲノムは他の作物より複雑なため、育種に時間がかかり、種イモを用いる育種技術は立ち遅れています。黄三文氏のチームはここ数年、国内外のパートナーと協力し、「優薯計画(U-potato Plan)」を立ち上げ、種イモを交雑種に置き換えることで繁殖係数を1000倍に高め、栽培コストを大幅に低減し、病虫害を減らすことに成功しました。(シンエン、謙)

ラジオ番組
KANKAN特集