中国 沿海の重要水域と主要港湾、レーダーのフルカバーをほぼ実現

　交通運輸部のデータによると、中国は世界で最も多くの船舶交通管理システムセンターを有する国になったということです。

　船舶交通管理システム（VTS）とは、船舶の航行の安全を保障し、交通効率を高め、水域環境を保護するために主管機関が設置したもので、船舶の交通管理を実施し、コンサルティングサービスを提供するシステムのことです。中国の「海上交通安全法」は、海事管理機関が海上の交通管理を統一的に行うことを明確に定めています。

　船舶交通量の増加に伴い、各水域での円滑な航行を守るため、各海運国は船舶と陸上との連携による船舶交通管理システムを構築しつつあります。

　船舶交通管理システムはこれまで3世代にわたる発展を経ています。初代VTSには水先案内人、通信、視覚信号などが、第2世代VTSには交通管理レーダーとVHF無線電話が用いられました。第3世代VTSはレーダー情報処理システムなどを活用するもので、モニタリング・サブシステム、データ処理サブシステム、情報伝送サブシステム、通信サブシステムなどから構成されます。

　交通運輸部のデータによると、中国で建設中もしくはこれから建設予定の船舶交通管理センターは65カ所、レーダーステーションは300カ所以上に上ります。沿海の重要水域と主要港湾、そして長江幹線航行区間では、レーダーによるフルカバーがほぼ実現しました。これにより、中国は世界で最も多くの船舶交通管理システムセンターを設置し、監督管理水域の面積が最大の国となりました。（ミン・イヒョウ、謙）