メーデー連休のホットスポット、田舎のカフェの街が注目を浴びる

2023-04-27 13:47:22  CRI

 4月29日から始まる中国のメーデー大型連休(4月29日~5月3日)まであと1日です。著名な観光地以外に、新たに誕生したランドマークも観光客を引き付けています。中国東部の浙江省湖州市安吉県はその内の一つです。人口が60万人にも満たないこの街には、300軒以上のコーヒーショップが建ち並び、「コーヒー密度」は大都市よりはるかに高くなっています。その中でも、ネット上で有名な多くのカフェが観光客の人気を集めています。

 安吉県梅渓鎮紅廟村では、1990年代生まれの起業家チームが約20万㎡の廃坑を18日間かけて、人気カフェに作り替えました。

 起業家チームのリーダーを務める程鑠欽さんはインタビューに答え、「ここの村は自然に恵まれていて、風景は美しいし、紺碧(こんぺき)の水をたたえた湖は『心』の形をしている」と紹介してくれました。起業家チームは地元の支援を得て、風景とコーヒーを融合させたコーヒーショップを開くことを決めました。

 店では「観光プラスコーヒー」という独創的なプランも勧めています。観光客は入場券を買えばコーヒー1杯が無料になり、風景を眺めながら休憩することができます。起業家チームは周辺施設にも改造を施して、充実させています。

カフェの近くにある『心』の形をした湖

300㎡の展望台

 1年もしない内に、30万人近い人がこのカフェを訪れました。当初は毎日20~30人来ればと想定していましたが、意外なことに、このカフェが急にブレークし、さらに観光と組み合わせたモデルが各地のネットユーザーを引きつけ、多くのネットユーザーが「このカフェのためにこの県に行った」と言うほどです。

 特に休日は、カフェを訪れるお客さんは引きも切りません。程鑠欽さんによりますと、旧正月の3日目(1月24日)には、1万人近い人が店を訪れ、コーヒーは3022杯も売れました。最も忙しい時間帯には、3時間待ちだったそうです。昨年のメーデー連休中に仮営業を始めてから1年も経たない内に、30万人近い客がこのカフェを訪れ、売り上げは1000万元(約1億9300万円)近いということです。

 カフェは村からの支援に応えることを忘れず、収益の49%を村の発展に当てました。同時に、周辺の観光業の盛り上がりは、村により多くの雇用をもたらしました。2022年9月5日以降、コーヒーの売り上げから1杯当たり0.5元(約10円)を慈善基金に当てることで、訪れた観光客が村の振興を支援する取り組みも行っています。梅渓鎮紅廟村の責任者である沈永甘さんは、「以前は湖にたくさんの浮遊物が浮いていたが、カフェのオープン後は、チームが定期的に湖面をさらってきれいにしており、湖が観光地として開発されてからは、汚染されるどころか、さらにきれいになった」と語りました。

人気カフェの内部

 コーヒーを絡めた新業態の出現は街の住民の生活様式を変え、地元の産業発展を牽引しました。「コーヒープラス音楽」「コーヒープラスカルチャー」など、さまざまな様式のカフェも増えています。

 統計によりますと、2023年1月現在、中小都市のカフェの数は4000店を超え、市場の4分の1を占めているということです。大都市から中小都市に戻って、カフェを開く若者も少なくありません。彼らは街に新しい活力をもたらすと共に、小さな街の中で自分の理想とする美しい生活を求めています。(藍、坂下)

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