中国 新型イオン伝導膜開発成功 「ダブルカーボン」目標の達成を推進

2023-04-27 13:03:44  CRI

 ダイヤフラム素材は日常生活では比較的一般的です。例えば自動車ガラスの飛散防止フィルム、携帯電話ディスプレーパネルの保護フィルムなどです。また、ダイヤフラムは携帯電話の電池にも使われており、電池のショートを防ぐと同時にイオンを伝送します。中国科学技術大学の研究者は長年の研究を経て、新たなタイプのイオン伝導膜を開発しました。このイオン膜はエネルギー変換、大規模エネルギーの貯蔵、分散型発電など、広い分野への応用が期待されています。この研究成果は北京時間4月26日に国際学術誌「ネイチャー」で発表されました。

 

△新型イオン膜を示す研究者たち

 従来のイオン膜は水を吸うと膨潤して変形し、構造が緩むなどのトラブルが発生しやすく、特に長時間の使用後には、構造劣化や性能低下をきたす恐れがありました。これに対して、この新たなタイプのイオン膜は、材料のイオン伝導性と選択性の不適合という難題を解決したことでイオン伝送のスピードがいっそう速まり、膜内でほぼ摩擦のない伝導が実現しました。この膜を使って組み立てられたレドックスフロー電池は、電流密度が1平方センチメートル当たり500ミリアンペアに達し、急速な充電と放電が可能な上、従来のイオン膜より頑丈で劣化しにくく、さらに吸水による膨潤現象も起こりません。

 

△中国科学技術大学の国産イオン膜の研究者たち

 この国産イオン膜の登場により、レドックスフロー電池などのエネルギー貯蔵設備の効率が大幅に向上し、ソーラーエネルギーや風力発電など、新エネルギーの貯蔵分野での幅広い応用が期待されています。現在、研究者たちはこのタイプのイオン膜の量産化を急いでいます。

 中国科学技術大学の徐銅文教授によると、「この新型のレドックスフロー電池貯蔵技術を送電網と組み合わせて、家庭用電力や、工業生産用の電力として使うことが可能であり、太陽光パネルで発電した電気を貯蔵して発電施設を造り、自動車に充電することもできる。そうすることで、省エネと環境保護に役立ち、『ダブルカーボン』目標達成の推進にもつながる」と紹介しています。(朱、坂下)

ラジオ番組
KANKAN特集