中国初の東北虎抜歯手術が成功

2023-04-26 12:34:42  CRI

 中国で初めての東北虎(アムールトラ)の抜歯手術がこのほど、東北部・吉林省長春市動植物公園獣医院、長春市中心病院口腔科専門家、瀋陽市森林動物園獣医専門家らの共同作業により、成功裏に完了しました。

 東北虎の「天新」は2005年生まれの18歳で、人間の80代に相当します。スタッフはその右側上の臼歯が欠けていて、歯肉内に一部歯が残っていることに気付きました。しかし、歯肉出血が大変深刻で、10分以上処理してやっと止血に成功したため、残っている歯根を処理するのに間に合いませんでした。「天新」の臼歯が欠けている上、感染もしていたため、正常に食事ができませんでした。半月近く、「天新」の頬は日に日に腫れてきて、食事量も減ってきたため、公園側は手術で治療することを決めました。

 しかし、手術する際に、三つの大きな課題に直面しました。一つ目は麻酔リスクが高いことです。「天新」は人類の80代の年齢に相当する高齢で、麻酔後の回復が遅いです。二つ目は東北虎に対する抜歯手術、特に歯根を抜く手術は国内では現在も完全な技術がないことです。三つ目は、「天新」の口腔出血は深刻で、野生動物の特性から徹底した術前検査が難しく、予想しかできないことです。

 手術の日に、既定案に従って、麻酔科医は体重150キロの「天新」に筋肉注射麻酔を行いました。続いて、口腔に対して骨の除去、抜歯、腐った部分の除去、洗浄、充填止血、縫合などを行いました。手術は40分かかり、術後30分に「天新」の意識が戻り、手術は成功しました。

 ここ数日、「天新」の食事量、飲水量、排尿量はいずれも正常に戻っています。今回の麻酔抜歯手術は今後の動物疾患の診療に経験を提供しました。(閣、野谷)

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