「時間と競う人」 出前配送員が詩人!中国で話題の人物に

2023-04-24 12:09:48  CRI

(出前配送員詩人の王計兵さん)

 去年、「時間と競う人」という現代詩が中国のネット上で流行しました。詩の作者、王計兵さんはフードデリバリーの配送員。ネットユーザーから「出前配送員詩人」と親しげに呼ばれています。最近、この「出前配送員詩人」の新作詩集の発売が決まり、王さんはネット上で話題の人物となっています。

 今年54歳の王さんは中国東部にある小さな町、江蘇省邳州市の出身で、2002年、妻と一緒に江蘇省昆山市へ出稼ぎに来ました。廃棄物の回収や屋台経営、フードデリバリーなど、王さんは多くの仕事に携わってきましたが、趣味として詩を書くことを一度も諦めませんでした。仕事の合間、王さんは文字で生活のあらゆることを詩として記録しています。そして、話題作の「時間と競う人」はフードデリバリー配送員の生活をモチーフにしたもので、王さんは「フードデリバリーは時間と競う人、四季を問わず、一つの配送先から次の配送先へと」と語っています。

 王さんの詩は友人によってネットにアップされ、2000万回以上もシェアされました。王さんもちょっとしたネット有名人になりました。すると、王さんの詩を詩集として出版すると問い合わせる出版社も現れ、「詩集を出すなんて、まるで夢のようだ」と王さんは喜んで契約に調印しました。

 王さんの第1作詩集「時間と競う人」は出版後、異郷で働く多くの人々の共鳴を呼びました。有名になった王さんはフードデリバリーの仕事を辞めず、依然として出前を配送しながら詩を書き続けています。そして、つい最近、2作目の新作詩集「不器用に世界を愛する私」が出版決定となりました。

 この新作について、王さんは「私は不器用にこの世界を愛している。人生を空き地に例えるなら、詩は私の空き地に舞い降りた雪だ。何も変わらず、融雪で空き地がぬかるんでいても、この雪を愛している。雪の後、春を迎えるから」。王さんの素朴な言葉に、平凡で地道に奮闘している多くの人々は感動と激励を覚えました。(Lin、野谷)

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