中国 出土竹簡が2000年以上前の医学書と確認

2023-04-21 14:31:37  CRI

 中国西部の四川省で20日に行われた「天回医簡」整理出版記者会見で、専門家が研究と実証を繰り返し行ったことで、「天回医簡」は扁鵲(紀元前407年ごろ~紀元前310年)による医学書であることが明らかになったと発表されました。

 扁鵲は中国の春秋戦国時代の名医です。成都文物考古研究院と荊州文物保護センターからなる合同考古チームは約10年前の2012年、成都市金牛区天回鎮の前漢時代(紀元前202年~紀元8年)の古墳を発掘した際、3号墓で大量の医学竹簡を発見しました。これらの貴重な竹簡は「天回医簡」と名づけられ、10年間わたる研究や修復、復元を経て整理され、出版されました。

 「天回医簡」の竹簡は2000年以上も水に浸かっていたために散乱しており、欠損も多くありました。整理やばらばらになっていた竹簡をつなぐ作業が3年間続き、竹簡930本、漢字2万字余りを得ました。記されていた書体は篆隷、古隷及び隷書でした。

 中国出土医学文献・文物研究院の柳長華院長によると、この医学竹簡の主要部分は前漢の呂后(紀元前241年~紀元前180年)の時代から文帝(在位:紀元前180年~紀元前157年)時代の間に書き写されたもので、墓の主人が葬られた年代は前漢の景帝(在位:紀元前157~紀元前141年)から武帝(在位:紀元前141年~紀元前87年)にかけての時期でした。

 この竹簡は扁鵲による医書であることが確実であり、景帝の時代に現在の山東省から四川省にもたらされたものであり、漢代医学の主流だったことが、研究チームによって明らかになりました。この書物には漢代の医療レベルが相当に進んでいたことが反映されており、「製薬法」だけでなく「五色脈診」と呼ばれる詳細な診察の体系や鍼灸の原理も説かれています。一連の研究を通じて、中国では2000年以上前にすでに、医学の理論と臨床の体系がかなり整っていたことが、改めて証明されました。(朱、鈴木)

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