中国出土の土器から約4000年前の人の指紋発見

2023-04-18 13:59:10  CRI

 中国中部の湖北省天門市にある石家河遺跡から出土した人物像土器の両耳の下の部分2カ所に指紋のような痕跡が見つかりました。指紋鑑定の専門家が確認したところ、この痕跡は人の指紋であることが確実と分かりました。長江流域で現在までに発見された最も早い人の指紋だとのことです。

 この人物像土器は幅が約2.8センチ、高さが約3.7センチと非常に小さいものです。出土したのは石家河三房湾遺跡の地層で、今から約4000年前のものだとされています。出土時に欠損があり、表面に付着物がありました。文化財修復の専門家が人物像の表面に残っているいくつかの痕跡を観察したところ、指紋の可能性があるものを発見したとのことです。

 微細痕を分析測定したところ、指紋の可能性があった隆線の間隔は、現代人にちかい約0.31〜0.37ミリでした。その後、指紋鑑定の専門家によって、この2つの痕跡が人間の指紋であり、土器制作の過程で立体的に残された指紋であることが確認されました。

 専門家はまた、左耳の下の指紋は右手の人差し指または左手の親指の指紋で、何度も重ねて形成されものであり、右耳の下の指紋は、左手の親指の指紋であり、親指の外側の隆線である可能性があると判断しました。

 先史前の指紋は以前にも、中国中部の河南省三門峡の晁池県で仰韶人の指紋2点が発見されています。湖北省文物考古研究院の方勤院長は、石家河遺跡の土器に、まだほかの指紋が残っているかどうか、次の段階として深く研究する必要があるとの考えを示しました。

 石家河遺跡の発見は1954年で、中国長江中流地区で現在までに発見されたものの中で分布面積が最も大きく、最も完全に保存されている新石器時代の集落遺跡です。(Mou、鈴木)

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