北京
PM2.577
23/19
上海交通大学などが開発した大型の水素化マグネシウム(MgH2)貯蔵車がこのほど上海市にお目見えしました。
△水素化マグネシウム(MgH2)貯蔵車
このトレーラーは全長13.3メートルで、水素の最大貯蔵量は1トンに達します。12個の水素貯蔵容器が積載されており、それぞれの容器には水素吸蔵合金「マグ水素」が充填されています。水素ガスをマグネシウム合金に貯蔵し、ガスの輸送から固体での輸送に転換することで、水素ガスを常温、常圧の状態で安全に貯蔵し、長距離輸送することが可能になると共に、大容量、高密度、長期サイクルで水素を貯蔵し、発生させる能力を備えています。
中国工程院の丁文江アカデミー会員(院士)は、「従来のロングタンクのトレーラーで高圧水素を輸送する場合、貯蔵できる水素は最大で約250キロだが、水素化マグネシウム(MgH2)貯蔵車の容量はその4倍で、水素の輸送コストはこれまでの3分の1にとどまる」と指摘しました。
既存の水素エネルギー産業チェーンにおいては、貯蔵と輸送にかかるコストが全体の30~50%を占めていたため、水素エネルギーの安全かつ効率的な貯蔵・輸送技術が水素エネルギーの利用を左右するコアテクノロジーとみられています。(ZHL、坂下)