【観察眼】中国アプリへの包囲討伐、米国はいったい何を恐れているのか

2023-04-14 13:00:10  CRI

 中国の半導体産業が米国の狂気的な封じ込めを受けると同時に、米国で絶大なユーザー数を持つ中国発のアプリが米国の目の上のこぶになった。

 3月23日、米議会が中国の企業が運営する動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」に対する公聴会を開いた。公聴会が始まる前から、ブルームバーグはTikTokは勝てないと予言していたが、事実もそのとおりだった。しかしTikTokが勝てない理由は、どの法律に違反しているというのではなく、米国が最初から「有罪の推定」に基づいてTikTokを標的にすることで、この公聴会は不公平な対話に決まっていたからだ。例えば次の会話は公聴会の荒唐無稽をさらけ出した。

 ハドソン米下院議員「TikTokは家庭用Wi-Fiに接続するのか?」

 TikTokの周受資最高経営責任者(CEO)「申し訳ない、質問の意味がわからない」

 ハドソン議員「もし私の携帯電話にTikTokがあり、私の携帯がWi-Fiに接続されていたら、TikTokはネットにアクセスするのか?」

 周受資CEO「ネットに接続するにはネットにアクセスしなければならない」

 「TikTokがネットにアクセスしていれば、データを盗んだことを証明できる」という強盗的論理は、米国国民も見ていられなくなり、「彼らは最も愚かな質問でTikTokのCEOに猛攻をかけている。テレビに飛び込んで彼らに言ってやりたい!」「インターネットも知らない、コンピューターも使えないこの老人たちが、私たちの国をつかさどっている。神よ助けてくれ!」などと声を上げた。

 この茶番劇ともいえる公聴会が終わって間もなく、米国は中国発のもう一つの人気アプリ「SHEIN(シーイン)」に矛先を向けた。SHEINはレディースファッションをメインとするファストファッションEC大手で、世界の150以上の国と地域でサービスを提供している。2020年12月に日本にも上陸し、以来日本でも大きな人気ぶりを見せている。

 各国の特に若い人たちに愛されているこのアプリだが、米国では使用禁止の危機に直面している。海外メディアの報道によると、米国ではSHEINが一部の政治家にボイコットされており、一部の民間組織は、SHEINが米国の国家安全に未曽有の脅威をもたらしているとして、「シャットダウン・SHEIN」と名付けた連盟まで結成したという。

 また、米フロリダ州ではこのほど、州内の公立大学に対して、TikTokや中国発のインスタントメッセンジャーアプリ「WeChat(ウィーチャット)」「QQ(キューキュー)」の学内ネットワークへの接続やインストールをしてはならないという禁止令を発した。

 なぜこれらのアプリを封じ込めるのかについて、米国はこれらのアプリが把握している大量の米国ユーザーデータが中国政府に提供される可能性が高いという理由を挙げている。しかし、米国はこの悪意に満ちた推測を裏付ける何の証拠も見つけていないばかりか、逆にフォーブスの記者ベーカー・ホワイト氏の調査によると、中国企業のデータやプライバシー保護への投資は米国の類似企業をはるかに上回っている。

 「司馬昭の心は、路傍の人も皆知っている」の通り、米国のたくらみは既にだれにでも知られている。米国が中国出身のアプリを封じ込めている理由は、応用ソフトウェアにおける米国の主導的地位に挑戦しているからにほかならない。中国ブランドが米国ひいては世界で影響力を拡大することを米国が許していないからだ。市場情報調査会社「SensorTower」が発表したデータによると、今年3月1‐3週、米国のアプリストアでダウンロード数の多いトップ4のアプリはすべて中国発だった。それぞれ越境ECアプリ「Temu」、動画編集アプリ「CapCut」、それに続きTikTok、SHEINだった。このような状況を米国は許すことはできないのだ。

 中国発のアプリはなぜこれほど人気なのか。SHEINを例に挙げてみよう。消費者がSHEINを好むのは、主に価格が安い、デザインが多種多様、新製品をリリースするスピードが速いからだ。ユニクロとSHEINを比較したあるメディアによると、服をデザインして見本をつくる段階から、生産してリリースするまで、ユニクロは平均半年かかるが、SHEINはその背後にある強力な中国のサプライチェーンに頼ってわずか7日で済む。この効率は他国のファストファッションブランドにとっては想像を絶するものかもしれない。

 中国発のアプリは、ユーザーのさまざまなニーズを考慮した行き届いたシステム設計などが人気の理由と考えられる。米国は、いろいろと知恵を絞って他国のものを禁ずるより、ユーザーのニーズをまじめに考えて良い製品を開発し、自国および世界の人々のためにより良いサービスを提供することを勧めたい。(CMG日本語部論説員)

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