三国時代の契約書はどんなもの?

2023-04-14 13:42:27  CRI

 悠久の歴史を持つ中国では、出土した文物もおびただしく、その大部分は博物館に収められていて、あまり人々の目に触れることはありません。中国の国営メディアである中央広播電視総台(チャイナ・メディア・グループ/CMG)は各地の博物館と連携して文化・科学の普及推進に取り組んでいます。最近、その中で取り上げた三国時代(220年~280年)の簡牘の「契約書」が注目を浴びています。

 三国時代の呉簡

 1996年に湖南省長沙市走馬楼で10万枚余りの簡牘が出土し、それぞれの簡牘に描かれた、当時の呉の人々の生活の様子を知る重要な史料となっていました。現代の生活の中でも用いられる多くのものは1700年前から既に存在し、「三国時代バージョン」があったことが明らかになっています。その一つが呉簡の「契約書」です。

 契約書となる大きな木簡の先端に、幅いっぱいに「同」の字が書かれており、その下には全く同じ内容の契約文書が縦に3回書かれています。出来上がった木簡は刃物で縦に切り分けられて3枚の小さな木簡になり、それぞれ役所、公文書機関、農民本人に保管されます。まるで現在の3枚複写のようです。独立した3枚の木簡を合わせると、完全な「同」の字になり、「同」を合わせることから、中国語で「契約」は「合同」と呼ばれるようになっています。

   下部に同じ内容が3回書かれた木簡

 簡牘は古代中国で歴史情報を記録するための最も重要で直接的な資料です。三国時代は戦乱続きで、史料の保存はとりわけ困難でした。三国時代の呉簡の発見は当時の社会生活などを知る上で重要な根拠を提供してくれるだけでなく、簡牘に書かれた文字自体にも、書道芸術として非常に高い研究価値があります。(閣、坂下)

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