中国の太陽観測衛星「夸父1号」 試験的データ公開

2023-04-13 13:08:08  CRI

 中国初の総合的な太陽観測衛星「夸父1号」による観測データの試験的な公開が始まりました。4月11日から12日にかけて、中国科学院紫金山天文台、中国科学院国家宇宙科学センター、国家宇宙科学データセンターの主催で、「夸父1号」観測データの試験的公開に関する発表兼研修会がオンラインで開催され、米国、英国、ドイツ、イタリアなど25カ国の太陽物理学者が参加しました。


「夸父1号」が観測した太陽フレアの硬X線

 「夸父1号」は太陽磁場や太陽の最も激しい爆発現象である太陽フレアとコロナ質量放出を同時に観測し、その形成や進化、相互の関連および相互作用を研究することを目的に、2022年10月9日に打ち上げられたものです。半年にわたる軌道上でのテストを経て、約80TB(テラバイト)の生データを収集し、そのうちの一部を準リアルタイムで試験的に公開する条件が整いました。

 今回試験的に公開された観測データには、4月1日以降の硬X線イメージャー(HXI)の全ての観測データや全日面ベクトル磁力計(FMG)の観測データの一部、ライマンアルファ線太陽望遠鏡(LST)の観測データの一部およびこれらの観測機器による準リアルタイムでの観測データが含まれています。

 中国の科学チームは今後、「夸父1号」の軌道上でのテスト状況に合わせて適宜調整を行い、最終的には全ての観測データの準リアルタイムでの公開を実現させ、国内外の太陽物理学者の協力を推進する計画です。(鵬、坂下)

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