【観察眼】半導体の輸出規制強化は賢明な選択か?

2023-04-07 18:36:35  CRI

 日本経済産業省は3月31日、先端半導体製造装置など23品目を輸出管理対象に加えると発表し、省令改正に向けたパブリックコメントの募集を始めた。今後、5月の改正、7月の施行が予定されている。これについて日本の西村経産相は、「特定の国を念頭に置いたものではない」と明言しているものの、これが一部の国の脅迫による中国に対する抑圧であることは明らかだ。

 資料によると、「国際半導体デバイス会社ランキング」では、米国、オランダ、日本の会社が上位にランクインしている。米国は長期にわたり、中国の半導体産業の発展を抑え込み、オランダと日本の協力を切実に必要としてきた。しかし、日本が中国への半導体生産設備の輸出を制限するという選択は、本当に賢明なものと言えるのだろうか。

 半導体は高度にグローバル化された産業であり、数十年の発展を経て、互いの利益が高度に融合する産業構造が形成されている。これは市場の法則と企業の選択の相乗効果によるものだ。

 現在、中国は世界最大の半導体市場であり、中国の集積回路の輸入額は年間6000億ドル近くに達している。また、日本にとって中国は半導体産業の最大の輸出市場であり、毎年の対中輸出額は100億ドルを超え、日本の半導体装置の輸出シェアの4分の1を占めている。中日双方はこれまで互恵・ウィンウィンの協力体制を築き上げてきたのだ。

 今回、日本側の輸出規制が実施されると、日本最大の半導体製造装置メーカーの東京エレクトロンやニコンなど、関連の日本企業数十社が真っ先に打撃を受ける可能性が高い。この点について、丸紅中国法人の経済調査総監である鈴木貴元氏は、「日本国内での強力な半導体市場がないことを考えると、今回の措置は日本のメーカーに打撃を与えることになる」と指摘し、「規制強化は日本企業の市場開発を妨げ、日本企業の競争力を確実に低下させるだろう」と述べた。

 中国税関のデータによると、2022年通年の中日貿易額は前年同期比3.7%減の3574億ドルで、日本は中国の5番目の貿易相手国に落ち込んでいる。日本は、中国市場に依存して経済を発展させ、日本経済の後退を防ぎたいと考える一方で、ハイテク分野では中国を抑制しようとしている。これでは日本経済はますます苦しくなるばかりだ。

 実は、かつて日本も米国からの抑圧の被害者となったことがある。日本の半導体業界は1980年代、米国を脅かすほど強かった。当時、日本には完全な産業チェーンがあり、日本製の半導体製品は世界市場で70%のシェアを占め、世界第1位の半導体生産国だった。しかし、日本と米国が「日米半導体協定」を締結すると、日本の半導体業界は衰退し始めた。

 中国の秦剛外交部長は先ごろ、日本の林正芳外相との会談で、「米国はかつて、覇権を振りかざし、日本の半導体産業を理不尽に抑圧した。そして今は中国に対して同じ仕打ちを繰り返している。『己の欲せざる所、人に施すことなかれ』というが、日本はかつての痛みを忘れず、悪事を働く者に加担するようなことをするべきでない。封じ込めは中国の自立心をさらに奮い立たせるだけだ。日本はG7のメンバーであり、アジアの一員でもある。日本は、G7を正しい方向に導き、地域の平和と安定に貢献し、国際社会の真の共通認識を形成するべきだ」と述べた。

 巨大な市場である中国とのウィンウィンを目指すのか、それとも封じ込めを行うのか。どちらの選択が賢明なのかが問われている。(CMG日本語部論説員)

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