北京
PM2.577
23/19
4月5日は二十四節気の一つ、清明です。清明とは「清浄明潔」という言葉を略したもので、「すべてのものが清らかで生き生きしている」という意味です。中国では清明は大切な行事の日、「清明節」とも呼ばれ、この日に先祖の墓参りや郊外に散策に出かける習わしになっています。今回の中国メロディ―は清明にちなんだ音楽をご紹介します。
清明節は中国では、先祖を祀る日でもあり、日本のお盆に相当します。中国では清明を読んだ漢詩が多く残されていますが、最も有名なのは唐の詩人杜牧の『清明』をおいて他にありません。この漢詩は絵に見るように清明における江南水郷の風景を描いています。そのうち、「借問す 酒家は何れの処にか有る、牧童 遥かに指さす 杏花の村(どこかに居酒屋はないかと尋ねてみると、牛飼いの少年がはるか彼方、杏の花咲く村を指さして教えてくれた)」という詩句は雨に煙る春のいい景色をリアルに再現しました。
清明の時期、しとしと降る小雨は亡くなった肉親への思いを呼び起こします。小雨は清明の時期の風物詩になっています。降りしきる小雨は、この世の人々と亡き愛する人とを同じ天地の中に溶け込ませてくれるようです。亡った愛する人を偲ぶ思いが小雨の中に溶け込むのです。
番組の中でお送りした曲
1曲目 清明(せいめい)
唐の詩人杜牧の『清明』を元にアレンジした児童合唱曲で、曲は旅人が清明節に故郷と両親を偲ぶ気持ちを表しました。
歌詞:
清明の時節 雨紛紛
路上の行人 魂を断たんと欲す
借問す 酒家は何れの処にか有る
牧童 遥かに指さす 杏花の村
2曲目 清明雨(清明の雨)
チェロの深みのある切ない音色は清明の時節、雨に煙る中、人々が肉親を祭る光景を連想させます。
3曲目 国風・鄭風・野有蔓草(ヤユウマンソウ)
この曲は中国最古の詩集「詩経」の詩「鄭風・野有蔓草」を元にアレンジしたものです。「鄭風・野有蔓草」は中国最古の詩集「詩経」に収められていて、2500年前の青年男女のロマンチックな出会いが描かれています。
歌詞:
青い草が一面に連なっていて
草の上の露が透き通っている
そこに ある美しい女性が歩いている
目元涼しいあで姿
うれしい出会いに
願いを遂げる