【CRI時評】民主サミットは「見掛け倒し」にすらならない

2023-03-29 13:46:32  CRI

 米国が手掛ける第2回「指導者民主サミット」が始まる。米国政府によると、この会議はコスタリカ、オランダ、韓国、ザンビアの4カ国との共催だが、米国自身が発表したいくつかの意味不明な声明以外には、共催国は基本的に、あたかもサミットなどないように静まりかえっている。

 「米国の現在の民主主義の状況を考えると、米国にこのような『道徳上』の指導権が備わっているとは思えない」――。これはメキシコ政府の行政公共政策研究グループのエルネスト・ベラスコ・サンチェス副研究員の、歯に衣を着せない言葉だ。

 米国が2021年に開催した第1回「民主サミット」の惨めな状況は、今も目に焼き付いている。20カ国以上が参加を拒否し、オンラインでの観客はごくわずかだった。そして何の公式成果もなかった...。会場では、アルゼンチンのフェルナンデス大統領が米国のボリビアに対する内政干渉を痛烈に批判した。会場外では、抗議者らが「米国の民主主義の死」のスローガンを掲げて「葬儀」を行った。重病人が「世界の病を治したい」と望んでいるのか。なんとも皮肉な話だ。米国の、反応を得られない世界に向けてのPRショーは、裏目に出るだけだ。

 米国は「民主サミット」に関連した声明で、「人権」や人種の平等などの議題を巡って討論するとしている。皮肉なことに、人々がこれらを目にして真っ先に思い浮かべるのは、これらの問題についての典型的な「劣等生」、すなわち米国であることだ。

 AP通信は、米国全土で数十年にわたり二極化がますます進行し、民主主義に対する絶望感が広がっていると伝えた。「金銭を神とあがめれば、悪魔のように災いをもたらす」――。英国の劇作家であるヘンリー・フィールディングのこの言葉は、米国の現在の民主主義の混乱を、実によく表現している。

 米国初代大統領のワシントンは1796年、派閥の輪番支配が党派の争いに転化すこと自体が恐ろしい専制主義だと指摘した。今から見ると、この指摘は現実化した。中国現代国際関係研究院米国研究所の王鴻剛所長は、「米国では両党の争いが激化して、政党の利益や集団の利益が国益の上に置かれ、国家という機械が政党の私利を図る道具に成り下がっている。これは一種の『専制』の具体化だ」との見方を示している。(CRI論説員)

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