中国人科学者 触媒の開発技術で新たな進展

2023-03-28 14:11:10  CRI

 中国天津大学の鞏金龍教授が率いる新エネルギー化学工業研究チームは28日、国際学術誌「ネイチャー・ナノテクノロジー」で論文を発表し、中国がアルカン脱水素合金触媒システムの開発で革新的なブレークスルーを遂げたことを示しています。

△触媒の利用が欠かせないマスク生産

 触媒は現代の化学産業の礎であり、各種の新材料・新技術の発展に極めて重要な役割を果たしています。アルカン脱水素合金触媒は主として、プロパンから基幹化学品であるプロピレンを合成する際に使われます。プロピレンは、マスクや医療機器、プラスチック製品など日常生活でよく見られる物品を加工・生産する原料であり、経済と社会の中で広く応用されています。

 特許の規制などにより、中国は長期にわたり、触媒の完成品を導入するか、または海外の成熟した製造プロセスパッケージを高値で購入して生産する形をとっていました。今回、中国の科学研究チームは学際的な研究を通じて、シングルサイトを利用した合金触媒構造とリガンド効果(電子的効果)の開発手法を提案しました。この開発手法はアルゴリズムの革新により、触媒の構造パラメータを入力するだけで、ワンクリック式のスクリーニングを実現でき、従来の「試行錯誤」による大量のスクリーニング作業を省き、「無酸素脱水素」の調製過程において、触媒としての貴金属の消費量を約3分の2削減でき、生産コストを大幅に引き下げることができるということです。(ZHL、野谷)


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