チョウコウチョウザメ、23年ぶりに天然水域で自然産卵

2023-03-23 11:40:34  CRI

 「野生絶滅種」に指定されたチョウコウチョウザメ(長江チョウザメ)が21日午前、長江の天然水域で自然産卵しました。チョウコウチョウザメが長江の天然水域で自然産卵するのは23年ぶりで、野生個体群の回復に向けての一歩とされています。

 中国の研究者は南西部の四川省宜賓市江安県を流れる長江の天然水域で実験を行いました。チョウコウチョウザメのメスとオスの成魚20尾を容積45立方メートルの人工産卵ケージに入れた上で、水流速度や産卵河床環境の調整を行い、チョウコウチョウザメを自然産卵と交配受精に誘導しました。

チョウコウチョウザメの卵

 水中監視カメラの画像により、大豆ほどの大きさの魚卵が水中を浮遊していることが確認されました。今回の実験を主導した中国水産科学研究院長江水産研究所の杜浩研究員は、「多くの人が抱いていた、チョウコウチョウザメは野外繁殖の能力を失っているのではという懸念と疑問が解消された」との見方を示しました。今回の実験により、チョウコウチョウザメを長年の室内での人工繁殖から野外自然産卵へ、さらに自然繁殖の実現や野外個体群の回復と再建へと導く作業に新たな希望がもたらされました。

 長江の宜賓市江安区間は長江上流における、希少特有魚類の国家級自然保護区の一部で、国家一級保護動物であるチョウコウチョウザメなどの希少魚類にとっての本来の生息場所であり、産卵場所でもあります。科学研究と調査によれば、2000年以降はチョウコウチョウザメが野外繁殖をしない状態になり、国際自然保護連合(IUCN)が2022年7月21日に発表した世界絶滅危惧種レッドリスト更新版では、チョウコウチョウザメが野生絶滅種に追加されました。(朱、鈴木)

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