【CRI時評】「米国式民主主義」の毒に苦しめられたのはイラクだけではない

2023-03-22 14:01:47  CRI

 今から20年前の3月20日、米国は「イラクが大量破壊兵器を保有している」として、西側の同盟国・友好国を集めてイラクに侵攻した。それにより、民間人20万人余りが死亡し、900万人余りが避難生活を余儀なくされた。それから20年が経過したが、米国はいまだにその確証を示していない。古くからの文明を誇る国であるイラクは戦争によって踏みにじられ、「米国式民主主義」の悪事のショーケースになった。

 20年というのは戦争を仕掛けた張本人が反省するには十分な時間だが、米国は、イラクの人々の苦痛に無関心であるだけでなく、民主主義を口実に災いをもたらし続けている。中国外交部が20日発表した「2022年の米国民主状況」報告書は、米国内における民主主義の混乱した状況および米国が全世界で民主主義を無理に押し付けたことによる混乱と災難を暴き、「米国式民主主義」の正体を人々に一歩進んで認識させた。

 報告書によると、今日の米国では、民主・共和両党の争いによる政治的分極化が加速し、金権政治が激しさを増し、言論の自由は有名無実で、司法は民意を無視し、民衆は「米国式民主主義」にますます失望している。こうした弊害に悩まされる国が、民主主義の教師を務め、戦争・制裁・でっち上げという3枚のカードを用いて「民主主義が権威主義に対抗する」というストーリーを作り、他国に圧力をかけ、私利をむさぼり、世界の平穏を難しくしている。 

 一国を破壊し、何世代もの前途を壊した挙げ句、責任逃れをする。これが「戦争ロボット」米国の操作モードだ。イラク暫定政府の首相を務めたアラウィ氏は、中国中央広播電視総台(チャイナ・メディア・グループ/CMG)の取材に応じ、「イラクにおけるいわゆる『米国式民主主義』は、イラク人の利益ではなく米国の利益に奉仕している」と批判した。

 米国は頻繁に制裁のこん棒を振り回してもいる。国連食糧農業機関(FAO)によると、イラクでは、米国による制裁と禁輸の影響で、飢餓に苦しむ人口の割合が高止まりし、1990年〜95年だけでも、飢餓や劣悪な生活環境により死亡した子どもの数は50万人に上る。米国は、自身の利益を守るために、一方的な制裁を利用して他国にひどい仕打ちをし、覇権・覇道・いじめが「米国式民主主義」の真のラベルとなっている。

 米国はさらに、戦争を仕掛け、覇権を守るという真の目的を覆い隠すため、「民主主義が権威主義に対抗する」という偽りのストーリーをでっち上げてもいる。イラク侵攻からリビアとシリアへの介入まで、「米国式民主主義」を輸出する米国の衝動は強いままで、それに夢中になり、国際社会を民主主義陣営と非民主主義陣営に分け、世界の分裂を拡大させている。米国は2021年に主催した初の「民主主義サミット」が批判を浴びたにもかかわらず、第2回の開催を準備している。

 イラク戦争から20年。米国の政治家は深く反省し、「民主主義」を口実に方々で悪事を働くのを止め、世界に鮮血の染み付いた「汚点」を残さないようにしなければならない。さもなくば、再び誰かが「米国式民主主義」による次の20年間の代償を支払うことになるだろう。(CRI論説員)

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