中国初のゼロ・カーボン「アジアゾウ保護蜂蜜」が発売

2023-03-17 11:32:15  CRI

 中国西南部の雲南省シーサンパンナで生産された「アジアゾウ保護蜂蜜」がこのほど有名スーパーで発売されました。これは中国初のゼロ・カーボン蜂蜜であり、国際動物福祉基金(IFAW)と同スーパーが共同で開発したもので、野生アジアゾウの保護に力を注ぐと共に、持続可能な地域作りを目指しています。

 この蜂蜜はシーサンパンナ国家自然保護区に隣接する小さな村で生産されています。現地では近年、野生アジアゾウの個体群の増加に伴い、作物が荒らされて村人の生活にも影響し、身の安全が脅かされることもしばしばでした。そのため、絶滅の危機に瀕しているアジアゾウの保護に対する村人の理解が得られず、ゾウの群れをすべて追い出すという意見まで出る状況でした。

国際動物福祉基金(IFAW)と有名スーパーが共同で打ち出したゼロ・カーボン「アジアゾウ保護蜂蜜」

 2020年6月に、IFAW、雲南省シーサンパンナ国家自然保護区管理局、シーサンパンナ熱帯雨林保護基金会が連携して「地域の生計改善によるアジアゾウ保護推進プロジェクト」をスタートさせ、最初の100個の巣箱を地元の10世帯の村人に配布すると共に村人に対する養蜂研修も行い、蜂蜜生産によって村人の収入増を図ろうとしました。

 さらに2021年には、現地での環境に優しい果樹栽培やソーラー発電設備の架設などを通じて、地域で蜂蜜を生産することにより発生する炭素を中和することとし、このプロジェクトに基づいて、スーパー側とIFAWは蜂蜜製品のゼロ・カーボン認証を取得する取り組みを始めました。

 蜂蜜生産自体の炭素排出量はわずかなものであり、二酸化炭素(CO2)は主に養蜂、加工、包装、輸送の四つの段階で発生します。計算では、蜂蜜1缶の生産で発生するCO2は約640.93グラムでした。IFAWは2022年に、広州市賽宝認証サービスセンターと共に、8カ月以上をかけて村民が使う太陽熱温水器や地域へのソーラー発電設備の架設、環境に優しい経済作物の栽培という三つの側面から綿密に炭素排出量を計算し、それによって蜂蜜の生産から販売までの全過程で発生する炭素を中和することができました。

 初回の3000本限定のゼロ・カーボン「アジアゾウ保護蜂蜜」は3月中旬から、北京、上海、杭州の同スーパーで発売されています。同製品の最も大きな価値は、アジアゾウの保護と、アジアゾウと共に暮らす人々に目を向けてもらうことにあるとされています。(閣、坂下)

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