中国のデリバリー配達員　自らの命を絶とうとした女性を救う

デリバリー配達員の鄭慧さん

　中国東部の浙江省杭州市蕭山区でこのほど、あるデリバリー配達員が午前2時30分ごろ、同一人物からほぼ同じ時間帯に3回続けて酒の配達の注文が入ったことを不審に思い、この人物が自らの命を絶とうとしているのではないかと心配して、警察に通報して助けるということがありました。

　深夜に配達の注文を受けたデリバリー配達員の鄭慧さんは、「その人は酒が強いんだね。また注文してきたよ」というコンビニ店主の話を聞き、同じ住所から3回目の酒の配達の注文だということを知りました。

　配達先で鄭さんは注文した若い女性が酒のにおいがして涙を流していることに気づきましたが、いろいろ尋ねるのも良くないと思い立ち去りました。しかし考えれば考えるほどただごとではないと思い、女性にメッセージを送ると、「もう生きていたくない」と返ってきたので、すぐに警察に通報して警官を女性の家まで案内しました。

　女性は、警官に悩みを打ち明けて次第に落ち着きを取り戻しました。女性は恋愛で悩み、自らの命を絶とうとしていましたが、鄭さんの鋭い観察力によって救われました。落ち着きを取り戻した女性は鄭さんと警官に感謝の気持ちを表しました。 

　そして、蕭山区の見義勇為（勇気を持って正しい行いをすること）基金会は16日、鄭さんを表彰しました。（ヒガシ、柳川）