「鳥の世界のジャイアントパンダ」コウライアイサ、中国東北部の長白山に北帰行

2023-03-09 16:07:50  CRI

 

水中から飛び上がるコウライアイサ

 中国で「鳥の世界のジャイアントパンダ」とも呼ばれるコウライアイサ(Chinese merganser)がこのほど、越冬を終えて吉林省延辺朝鮮族自治州安図県の二道白河に戻ってきました。2023年の渡り鳥の北帰行第1陣とみられています。

50年近くコウライアイサの保護活動をしてきた朴龍国さん

 美しい映像を記録したのは、長白山科学研究院元研究員の朴龍国さん(71歳)です。彼は40年以上にわたってコウライアイサを観察、保護してきた経験があります。朴さんは毎年、啓蟄(けいちつ)の前後に二道白河を訪れ、南方の越冬地から戻ってきたコウライアイサを撮影しています。朴さんのカメラは今月5日に、まず雌雄ペアのコウライアイサを捉え、その後も次々と複数羽の姿を捉えています。朴さんによりますと、今のところまばらに見られるコウライアイサは渡りから戻ってきた先駆けで、大群が飛来するのは多分10日ほど後になるようですが、それでも、現在戻ってきているコウライアイサの数はすでに例年を上回っているとのことです。

 現在、コウライアイサは全世界に3000羽しかおらず、毎年春先には200羽が北上し、長白山の森林地域に飛来して繁殖活動を行うということです。

 なお、コウライアイサは第三紀氷河時代を経て生き残った種で、今から1000万年以上も前から存在し、「鳥類の生きた化石」と呼ばれる、中国特有の希少な鳥です。コウライアイサは1989年にパンダと同じ国家一級重点保護動物に指定されました。(雲、坂下)

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