<政協>健康の最前線であるコミュニティー医療機関の支援を=徐叢剣委員

2023-03-07 19:26:28  CRI

 中国では生活水準の向上に伴い、健康への関心が高まっています。李克強総理が第14期全国人民代表大会第1回会議で行った政府活動報告では、等級別診療体系を整備し、良質な医療資源の拡大・普及と地域のバランスの取れた配置を重点的に推進することが強調されました。

 医療資源の合理的かつ効率的な配置について、上海市の復旦大学附属産婦人科医院で院長を務める、中国人民政治協商会議全国委員会(全国政協)の徐叢剣委員がインタビューに応えました。

 徐委員は、「社区(コミュニティー)や農村など一次医療機関の医師は、人々の健康を守る最前線の人間だ。これら医療関係者の医療水準を向上させることは極めて重要だ」と述べました。徐委員によりますと、近年、同院は上海市青浦区と協力し、青浦区の12の社区に12の医療チームを設立しました。各チームは准教授1人、講師あるいは助教1人、看護師1〜2人で構成され、社区の医師が産婦人科の知識と医療能力を高めることを支援しています。社区の医師は自身が解決できない問題に直面した時に、この医療チームに直接相談したり、提携先の病院を直接紹介したりできるようになりました。この取り組みにより、社区の医師のレベルは向上しつつあり、住民も大病院の後ろ盾がある社区の医療機関を安心して受診できるようになりました。

 徐委員は長年にわたり妊産婦の死亡率を下げることにも力を入れています。徐委員によりますと、上海市は大型総合病院に6つの妊産婦救急センターを設立し、上海市の各助産機関を管轄しています。助産機関で妊産婦が死亡した場合は、それを管轄する妊産婦救急センターが共に責任を担います。このようなメカニズムを通して、妊産婦救急センターと助産機関が知恵を出し合い、妊産婦の死亡率を大幅に下げています。この仕組みを内蒙古自治区の内蒙古婦幼保健院が実施したところ、同年の妊産婦死亡率は半減しました。

 また、徐委員は長期的な人口問題や出産問題に注目し、中国で深刻化しつつある少子化問題を踏まえて、正しい出産観や人口観を素質教育(受験教育と対照的な、子どものさまざまな素質や人間性を育てる教育)に取り入れることや、女性、特に遠隔地の女性の子宮頸がんワクチン接種率を高めることなどを提案し、今後もこれらの分野をめぐって提言していきたいと述べました。(取材:李陽、校正:謙)

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