曾侯乙編鐘の複製品 音色がデジタル保存

2023-03-07 16:48:29  CRI

 青銅製の編鐘(音高の異なる複数の鐘を枠に吊るした、中国古代の打楽器)は2400年余りの時を経ても澄んだ音色が耳に心地よく、人々の心を揺さぶります。中国の「伝統楽器デジタル化プロジェクト」はこのほど、曾侯乙(戦国時代初期の諸侯国の君主)編鐘の実物大複製品からの音源採録を終え、「古代楽器の王」と呼ばれる編鐘の音色がデジタル化されました。音源は永久保存されることが期待されます。

 このプロジェクトは文化財級の民俗楽器や貴重な楽音のデジタル保存と再生に焦点を当て、中国の貴重な伝統楽器の楽音、楽譜の保存を通じて、音色の採集、保存、古い楽譜の研究などの保護と科学的な普及を目指しています。

演奏中の湖北省博物館の編鐘楽団

 1978年に中国中部の湖北省随州で出土した曾侯乙編鐘は中国古代楽器の王と呼ばれ、青銅製の鐘は全部で65個あり、重さは5トンあります。3段にわたって8組がつるされており、広い音域を誇る、湖北省博物館の宝物です。曾侯乙編鐘は1個の鐘から二つの異なる音色を発することができることから、当時の世界では最高レベルの音楽的成果を代表しています。曾侯乙編鐘の実物は出土以来、わずか3回しか奏でられたことがありません。

 これまでに、国家文物局の許可を得て6セットの複製品が作られました。今回のプロジェクトでは64個の鐘を真正面からと側面から叩く音を採録して編鐘の完全な音源を保存しました。これは複製品が作られて以来初めて行われた体系的かつ高精度のデジタル採録と再現になります。(殷、坂下)

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