北京
PM2.577
23/19
中国では、全人代と全国政協の年次総会の真っ最中。今年は国家機関の指導者の交代が行われることもあり、海外からもかなり注目されているようです。ぜひCMG日本語放送の報道をチェックしてください。
さて、今週の番組のメニューです。
「旬な話題1」今年の全人代、1回目の「部長通路」が開かれる
「旬な話題2」TikTokは本当に国家安全保障上の脅威なのか?
【北京スケッチ】街中のオウバイ(中国語では「迎春花」と呼ぶ。3月4日 平文智撮影)
2023年3月<今月の特別寄稿>
東京都 イタズラ爺さん・奥田正彦さん(87歳)
李白だから、印文を「對酒忘情」にしようか迷いましたが、「處世若大夢」にしました。5文字はやりにくくて手を焼くのですが、一見4文字に見えれば面白くなると、取り組みました。
春日醉起言志
(盛唐)李白
處世若大夢 胡爲勞其生
所以終日醉 頽然臥前楹
覺來眄庭前 一鳥花間鳴
借問此何時 春風語流鶯
感之欲嘆息 對酒還自傾
浩歌待明月 曲盡已忘情
春日醉起して志を言う
李白
処世は大夢の若し 胡爲(なんす)れぞ其の生を労せん
所以(ゆえ)に終日醉い 頽然として前楹(ぜんえい)に臥す
覚め来たりて庭前を眄(み)れば 一鳥花間に鳴く
借問す此れ何(いづ)れの時ぞ 春風流鶯と語る
之(こ)れに感じて歎息せんと欲し 酒に対して還た自ら傾く
浩歌して明月を待ち 曲尽きて已(すで)に 情を忘る
【詩の内容】この世に生きているのは長い夢を見ているようなもの、何をあくせくと過ごすことがあろうか。だから、私は一日中酔っぱらい、崩れるように庭先の柱の陰に倒れ伏す。酔いから醒めてふと庭を眺めると、一羽の鳥が花の間で囀っている。今はどんな季節かとたずねると、鶯は春風とたわむれて、春だ春だと語りあっている。私は過ぎゆく時の流れに思わずため息をついては、またも酒杯を傾ける。詩を吟じて月の出を待っているうちに、曲も尽き、やがて何もかも分からなくなってしまった。
留学時、中国語学習の手助けしてくれた大学生が、今は東京に住んでいます。息子の天くん(高二)が、中国では元宵節(今年は2月5日)に食べる餡の入った丸いお団子「湯圓(タンユエン)」を食べたいというので、彼女の家で作ることになりました。上海のお母さんもお見えになっていて旧交を温めました。ぼくになついた犬のアタロウくんが邪魔をして大変でしたが、本場のお母さんの助けで、美味しい湯圓ができました。
北京・上海に留学したことも、その繋がりで25年後にこうして湯圓作りをしたことも、李白のいう「長い夢」の一幕なのか、など、思いながらこの篆刻を楽しんでいるうちに、夜は次第に深まり、集中力も徐々に薄れて、印材が欠けていることにも気付きませんでした。
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