『詩歌と絵画に見る中国』(前編)

2023-03-04 17:34:18  CRI

 中央広播電視総台(チャイナ・メディア・グループ/CMG)のテレビ番組「詩画中国(詩歌と絵画に見る中国)」が昨年8月に放送開始以来、人気を集めています。番組では、音楽や舞踊などを通して中国の絵画や詩の美しさを伝えます。今回の中国メロディ―は「詩歌と絵画に見る中国」の素晴らしいパフォーマンスをお楽しみください。

『雑花図』

 『雑花図』は今から500年前の明代の画家、書道家の徐渭(じょ・い)が創作した水墨画作品です。縦37センチ、長さ10メートル余りのこの絵巻には、右から左へ13 種類の植物が描かれ、牡丹に始まり、石榴、蓮と続きます。続いて出現する葡萄と芭蕉は全体の3分の1を占め、重要な部分として絵巻をはなやかに彩っています。最後は淡墨で梅と水仙、竹の葉が描かれています。墨を用いて伸び伸びと縦横に筆を振るい、作品は交響曲のように波があってダイナミックです。

 「詩歌と絵画に見る中国」のステージでは、有名なピアニストのランランが楽団を率いて水墨画絵巻の舞台を背景に、中国の伝統音楽『ジャスミン』、ドビュッシーのピアノ曲『月光』『グリーグピアノ協奏曲』を演奏し、『雑花図』という水墨画に新しい息吹をもたらしました。

『四時田園雑興』

 第7期「詩歌と絵画に見る中国」では、著名な男女ユニット、鳳凰伝奇が清代の名画『耕織図』に描かれた黄金色に輝く水田の中に立ち、迫力ある歌声で男が田を耕し女が布を織る中国古代の田園生活絵巻を演出しました。

 ゆっくりと繰り広げられる絵巻を舞台に、まずは畑を耕す痩せた農家の男が登場します。男は笠をかぶり蓑を身にまとい、手綱を持ち、竹ざおを支え、小雨の降る中、畑の雑草を抜いています。絵巻の中の農家こそが当時まだ皇子であった清代の雍正皇帝の胤禛(いん・しん)です。続いて展開された絵巻には、胤禛の妃たちが、端正な姿で登場します。彼女たちは子供を連れて田畑で働く胤禛に食事を届けたり、桑葉を採って蚕を育て布を織ったりしているのでしょうか。絵巻の中の人々は和気あいあいと田園生活を楽しんでいます。

 鳳凰伝奇が歌った歌詞は、宋代の詩人・范成大の詩作『四時田園雑興』の詩句に出てきます。詩句は当時の農村のにぎやかな労働場面を表現しています。

昼は田に出て草を取り 夜は麻を紡ぐ

村では男の子も 女の子も大事な働き手だ

小さな子供は まだ手伝いはできない

それでも 桑の葉陰で瓜を植える真似事をしている

『詩経唐風吟』

 番組の中で香港の歌手、ディッキ―チョン(張衛健)が歌う『詩経唐風吟』が印象的でした。この歌は中国で最初にまとめられた詩集『詩経』に出てくる『绸缪』、『有杕之杜』、『蟋蟀』の三つの詩を一つの歌にまとめたものです。ディッキ―チョンはこの古代の詩のロマンを歌声で生き生きと演出しました。

 この三つの詩はそれぞれ友情、愛情、生活に対する信念を表現しています。『绸缪』は先秦時代の漢民族の民謡で、新婚の喜びから、若い男女の甘い愛情を表現しています。『有杕之杜』は、孤独を打ち消すために友人と酒を酌み交わして語り合う人々の姿を描いています。『蟋蟀』は、時を大切にし、勤勉と生活を楽しむことを勧めています。

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