【観察眼】「一帯一路」を「債務の罠」とする言論はもうやめよう

2023-03-04 21:30:35  CRI

 3日午後、中国人民政治協商会議第14期全国委員会第1回会議の開幕を控え、今会議の最初の記者会見が北京で行われた。これにより、中国で年に1度開かれる全国人民代表大会(全人代)と中国人民政治協商会議全国委員会(全国政協)の年次総会の季節が始まった。

 今年は、中国が中国共産党第20回全国代表大会の精神の全面的な実施を開始する年であり、国家機関および全国政協の指導部が交代する年であり、また、改革開放政策45周年、「一帯一路」イニシアチブ10周年でもある。この重要な節目の年に開催される全人代と全国政協は、世界からも注目を集めている。

 3日午後の記者会見は1時間余りにわたり、中国、日本、米国、シンガポールなどのメディアから12の質問が出された。その内容は、全国政協の取り組み、中国の経済情勢、中小・零細企業の発展から、「一帯一路」建設、台湾海峡両岸の交流まで、中国の政治、経済、文化などを幅広くカバーするものだった。

 その中で、日本の共同通信社の記者から、中国は「一帯一路」を発展させながら、どのように債務拡大のリスクを防ぐのかとの質問が出された。これは、「一帯一路」に対して、ある種の誤解があることを示している。

 全国政協の郭衛民報道官はこの問題について、「世界には、中国が『債務の罠』を作ったという声があるが、それは『一帯一路』共同建設と中国のイメージに泥を塗ろうとするものだ。その主張には根拠がなく、事実無根であり、下心がある」と述べた。

 現時点で、「一帯一路」共同建設に参加している国の中で、「債務の罠」の存在を認めている国は1つもない。一部の国は、アフリカの債務危機を引き起こしているのは中国だと主張している。しかし、世界銀行などの国際機関の統計によると、アフリカにとって最大の債権者は中国ではなく、多国間金融機関と商事債権者などだ。それらのアフリカに対する債権は、アフリカの対外債務全体の4分の3に達している。

 中国は「債務の罠」など作っていない。それどころか中国は一貫して、関係国の債務削減に取り組み、実際に多くの債務を免除してきた。また、中国はG20の債務支払猶予イニシアテチブに積極的に参加し、G20メンバー国の中で最も多額の債務支払猶予を実行している。さらに、債務リスクを防ぐために、中国は29カ国と共同で「『一帯一路』融資指導原則」を承認し、「『一帯一路』債務持続可能性分析枠組み」を公布し、包括的な債務リスク防止・抑制システムを整備してきた。

 今年2月中旬までに、中国は151カ国、32の国際機関と「一帯一路」共同建設に関する200件以上の協力文書に署名している。中国が「債務の罠」を作っているのであれば、なぜ世界の約8割もの国が「一帯一路」共同建設に参加し、しかもその数が今もなお増大し続けているのだろうか。「一帯一路」イニシアテチブが提唱されてから10年間で収めた成果は、誰の目にも明らかだ。中国・ラオス鉄道、ギリシャのピレウス港、中国・パキスタン経済回廊のような大型プロジェクトだけでなく、「一帯一路」沿線諸国では農業、医療、貧困削減といった“小さくともすばらしい”プロジェクトも進められている。中国と「一帯一路」沿線諸国との年間貿易額は10年前の1兆400億ドルから2兆700億ドルへとほぼ倍増している。

 近年、「一帯一路」共同建設への参加に積極的な姿勢を示し、実際の行動に移す日本企業も増加している。ある日本企業は、中国と欧州を結ぶ定期貨物列車「中欧班列」を通じ、欧州諸国との貿易を発展させている。また、「一帯一路」沿線諸国でインフラ整備プロジェクトを受注・実施し、設備や技術の輸出を拡大している企業もある。日本政府が「一帯一路」への偏見を捨て、「一帯一路」の発展の快速列車に乗り込み、中国と手を携えて地域と世界の経済発展に貢献することを期待している。(CMG日本語部論説員)

ラジオ番組
KANKAN特集