【CRI時評】「人権の灯台」は児童労働問題や権利保護に取り組め

2023-03-04 14:08:54  CRI

 米労働省のデータによると、2022年度に全米835社の企業が合計で3800人余りの児童労働者を違法に雇用し、前年度より1000人余り増加した。これは心が痛む現実だ。米国の非営利団体「農場労働者雇用プロジェクト連合会」が提供したデータによると、米国では依然として50万人から80万人の児童労働者が農場で働いている。フォード、ゼネラル・モーターズ、ウォルマート、ホールフーズ・マーケット、ターゲット・コーポレーションなど、米国の主要ブランドや小売業者のサプライチェーンで、児童労働の活用が確認されている。

 現在、米国は子どもの権利条約(児童の権利に関する条約)を批准していない唯一の国連加盟国であり、児童労働問題が深刻であることをたびたび国際労働機関(ILO)から名指し批判され、国際社会から「最大の人権侵害者」と糾弾される。

 奴隷貿易や人種差別と同様、米国の児童労働問題の歴史は長い。100年以上前から、米国の鉱山やタバコ農場、繊維工場では児童労働者の搾取が行われていた。現在に至るまで、この問題は解決されていない。その重要な要因の一つに、米国の法体系の脆弱性と法執行の不徹底さが挙げられる。例えば、米国の公正労働基準法は、多くの業種を対象に14歳未満の者の雇用を禁じているが、農業労働は除外されている。また、米政府は児童労働者雇用の撲滅を軽く扱ってきた。米政府関係者によると、現在の児童労働者1人あたりの民事制裁金の最高額はわずか1万5000ドルで、この額は「全く抑止力になっていない」という。

 踏み込んで考えると、米国の児童労働現象は、貧困と人種問題が絡み合って生まれた「悪の花」だ。米国の「国際児童」組織の研究報告書によると、米国の子どもの貧困率は他の先進国よりはるかに高く、米国の子どもの40%近くが18歳になるまでに少なくとも1年間貧困にさらされている。米国児童保護基金のデータによると、米国の貧困児童の71%は有色人種だ。

 米国では昨年、新型コロナウィルス対策法案に規定された児童税額控除という優遇措置の期間延長について、「コストがかかりすぎる」という理由で見送った。このコストは年間1000億ドルと試算されており、米国がこの1年でウクライナ問題に費やした資金よりはるかに少ない。救済法案の期限切れ後、米国の貧困層の子どもが半年で300万人以上増えた。見たところ、米政府は民生ではなく、覇権に関する資金だけを計算しているようだ。

 子どもは世界の希望であり未来だ。「人権の灯台」を自負する米国は児童労働問題をはじめ、国内の児童の権利・利益保護に関心を持つよう忠告したい。(CRI論説員)

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