【観察眼】日本の攻撃兵器大量購入は何に「反撃」するためなのか

2023-03-02 11:02:29  CRI

 2月27日午後、岸田文雄首相は衆議院予算委員会で、米国産の巡航ミサイル「トマホーク」を購入する予定であることを明らかにした。日本は敵のミサイル発射拠点を攻撃する“反撃能力”を保有することとなる。これについて専門家は、「今回、日本政府は高い攻撃力をもつ巡航ミサイル『トマホーク』の購入に巨額の資金を投じるという。これは、日本が再び『平和憲法』から乖離し、『専守防衛』から逸脱することを象徴するものであり、日本の平和憲法の形骸化を改めて証明するものだ」と分析している。

 共同通信社は、2023年度政府予算案に「トマホーク」の取得費として2113億円が計上されたと報じた。購入が予定されている「トマホーク」は、米海軍が採用している最新型であり、海上自衛隊のイージス艦からの発射が可能だ。2026年度から自衛隊に配備される予定となっている。

 巡航ミサイル「トマホーク」は、米国の高度な技術を利用した全天候型亜音速巡航ミサイルであり、レーダーに捕捉されにくい低い高度を音速に近い速度で飛行する。全地球測位システム(GPS)衛星の情報により目標を正確に破壊することが可能で、米国は1991年の湾岸戦争や2003年のイラク戦争で使用している。射程距離は1500キロ近くあり、朝鮮全域やロシア極東地域だけでなく、中国の西安、長沙、武漢などの内陸の都市も射程範囲に入る。北海道に配備された場合には、中国の大部分が射程範囲に入る。その目的は、中国に対するいわゆる「飽和攻撃」ができる軍事力を形成することにある。

 これまで、東京の政治家や日本のメディアは長期にわたって中国、ロシア、朝鮮などの近隣諸国のいわゆる「ミサイル脅威論」を煽り立て、それを口実に米国との軍事協力を強化し、米国と手を組んで地域の安定を破壊することに苦心してきたが、それは、軍事費を増やし、軍備を拡張する口実を作るためである。果たせるかな、岸田内閣が『国家安全保障戦略』と関連の安全保障文書を作成した直後、米国の巡航ミサイルの大量購入計画が持ち上がった。安倍晋三氏や菅義偉氏らの前任者に比べ、岸田内閣は軍備拡張に大きく踏み出しており、岸田首相は、防衛費をこれまでのGDP比1%程度から2027年には2%に引き上げるよう指示している。その場合、日本の軍事費は総額800億ドルを超え、ロシアを抜いて世界第3位となる。

 2月15日、エマニュエル駐日米国大使は東京での記者会見で「日米同盟」はすでに守りから攻めに転じたと述べた。日本が巡航ミサイル「トマホーク」の購入を決めたのは、こうした守りから攻めへの物質的な準備の表れだ。

 今年は中日平和友好条約締結45周年にあたる。両国間の重要な政治的共通認識である「互いに協力パートナーであり、互いに脅威とならない」という約束は堅持されなければならない。地域の平和と安定に関わる重要な事項について、日本が信義を重んじ、平和に背く危険な行為をやめることを期待している。(CMG日本語部論説員)

ラジオ番組
KANKAN特集