【CRI時評】「ノルドストリーム」事件には客観的で公正な調査が必要だ

2023-02-24 11:34:18  CRI

 国連安保理は最近になり、ロシアの求めに応じて天然ガスパイプライン「ノルドストリーム」が爆発した件についての公開討論を行った。安保理メンバー国はそれぞれの立場を表明した。中国はこの件について、客観的で公正かつ専門的な調査を行うことは各国の利益と懸念に密接に関係するとして、調査プロセスを加速して真相を迅速に解明することを支持すると、明確に表明した。

 2022年9月末に、「ノルドストリーム1」と「ノルドストリーム2」のスウェーデンとデンマークの近海の多くの個所で漏出が発生した。同件については各方面で普遍的に、「意図的な破壊」だとする見方が広がった。その後、デンマークとドイツ、スウェーデンがそれぞれ、同件の調査を開始した。5カ月が経過した現在も、事件の経緯や加害者は明らかになっていない。2月8日には米国の著名な調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュ氏が同事件について、米国政府が命令し、米国中央情報局(CIA)が実行した秘密行動だとする暴露記事を発表して大きな波紋を呼んだ。国際社会では客観的で公正な調査を求める声がますます高まっている。

 「ノルドストリーム」は国境を越えた重要なインフラであり、エネルギー輸送の大動脈だ。「ノルドストリーム」が破壊されたことは、世界のエネルギー市場と生態環境に、深刻な負の影響を与えた。世界の人々は真相を知る権利がある。決してうやむやにしてはならない。

 「ノルドストリーム」の爆発事件では、数億立方メートルの天然ガスが漏出した。国際連合環境計画(UNEP)の分析では、同件により漏出したメタンの総量は75~230キロトンにも達すると見積もられている。そしてメタンガスには、二酸化炭素の80倍もの地球温暖化効果がある。

 また「ノルドストリーム」事件は、欧州全体の安全保障と安定に関わる政治的な問題でもある。この事件に対して客観的で中立な調査を進め、可能な限り迅速に黒幕を見つけ出すことは、各方面がより理性的な戦略判断を下すことに役立ち、対話と交渉によりウクライナ危機の政治的解決を行うことに対する障害を減らすことにつながる。

 さらに重要なことは、詳細で精確な物的証拠および疑問がますます増えつつある中で、「ノルドストリーム」事件に対して客観的かつ公正な調査を行うことは、国際社会における公平と正義を力強く守ることになることだ。(CRI論説員)

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