【観察眼】パイプライン爆破 気球撃墜 毒ガス放出 この国は大丈夫?

2023-02-21 21:44:50  CRI

 「ノルドストリーム」爆破疑惑、「気球」撃墜、オハイオ州の有害化学物質流出事件など、このところ米国は世界の注目を集めている。

 今月初め、米国の著名な調査報道記者シーモア・ハーシュ氏は、ロシアから欧州へ天然ガスを送る海底パイプライン「ノルドストリーム」の爆発事件に関する暴露記事を発表した。そこには、米国の安全当局が計画し、バイデン大統領が自ら命令を下し、ノルウェー軍の協力の下で米海軍が爆破を実施したという事件の全過程が詳細に綴られている。

 さらに、米記者のジョン・デューガン氏も最近、新たな証拠を公表した。彼は、昨年9月の「ノルドストリーム」爆発事件発生後、米軍関係者から匿名のメールを受け取ったことを明らかにした。その軍関係者は、昨年夏、「ノルドストリーム」付近海域で行われた北大西洋条約機構(NATO)の軍事演習に参加した際、「小さな箱」を持った米国のダイバーが6時間以上潜水作業を行なっていたのを目撃したと記述している。

 これらの情報が本当ならば、米国はまさに「一石二鳥」ならぬ「一石多鳥」といったところだろう。「ノルドストリーム」の破壊は、ロシアの天然ガス輸出にダメージを与え、その影響はロシア経済全般を直撃する。同時に、欧州のエネルギー安全保障に揺さぶりをかけることで、欧州連合(EU)をけん制することができる。それはさらに、米国自身の天然ガス輸出拡大のための市場開拓につながるのだ。

 米政府と軍はこれらの暴露について、さしたる反応を示していない。それは、彼らが「気球を撃つ」ことに集中しているためだ。

 米国はまず、中国側が「米国領空に迷い込んだ」と主張していた気象観測用飛行船をミサイルで撃墜した。そして、同飛行船を中国軍の「スパイ気球」だと非難し、これを理由として複数の中国企業や機関に制裁を加えた。その後もいくつかの気球が発見され撃墜されたが、多くの情報により、それらは米国が飛ばしたものである可能性が高いことが指摘されている。米政府がそうした「謎の作戦」に熱中する一方で、米オハイオ州の住民たちは、有害化学物質の流出事故で日々危険にさらされている。日本で「おはよう州」と呼ばれるオハイオ州では、朝のあいさつをする余裕さえなくなってしまった。

 世界一の科学技術力を誇る米国は、人体に害を及ぼす化学物質を処理する際に絶対に犯してはならないミスを犯し、事故現場周辺の自然環境や住民、動植物に甚大な被害を与えてしまった。そして、化学物質の「コントロールされた放出」からわずか2日後、現地がまだ「毒の雲」に覆われ、動物の死亡が相次ぐ中、地元当局者は空気と水質の安全を宣言し、避難していた住民に帰宅を勧告した。

 米国はいったい何を考えているのか、それは誰もわからない。米国メディアが撮影したオハイオ州の住民の手には「人命より利益」と書かれたプラカードが握られていた。(CMG日本語部論説員)

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