【CRI時評】米国による「気球政治ショー」

2023-02-19 12:43:33  CRI

 米国の指導者はこのほどホワイトハウスで発言し、撃墜した三つの飛行物体について、中国に関連しているとうかがわせるものはなく、中国と連絡を取り続け、新たな冷戦を求めないとした一方で、中国の「あの気球」撃墜について謝罪するつもりはないと主張した。

 圧力に押されて自らの逃げ道をつくる一方で、中国に対して強硬な「政治的正しさ」を示し続ける。このような矛盾し誠意を欠いた態度表明は、問題解決の正しい道ではない。

 中国は「中国の民間無人飛行船は不可抗力で米領空に誤って入ったのであり、完全に予想外、偶発的な事件だ」と繰り返し表明してきた。米国の複数の当局者も、中国の気球は米国の人員と安全保障への脅威にならないと表明している。しかしワシントンにおける党派対立による二極化の政治的雰囲気の下で、この普通の予想外、偶発的な事件は複雑化され、「高射砲で蚊を撃つ」政治ショーへとエスカレートしている。

 一般的な国際法のルールによると、不可抗力、遭難、緊急避難の三つのうちの一つが存在する場合、ある国の無人航空機が許可なく他国の領空に入る行為の違法性を免除できる。「国際民間航空条約(シカゴ条約)」および米連邦航空局などの国内法やガイドラインは、民間無人飛行船は国家免除を受けられないものの、私有財産は神聖かつ不可侵であると規定している。国際的な慣行では、ある国の領空に誤って入った民間航空機に対しては、警告、駆逐、伴飛行、強制着陸などの措置を取った上で外交ルートを通じて平和的に解決するのが一般的だ。

 国際法のルールと国際的な慣行のどちらから見ても、米国の反応は過剰であり、ヒステリックでさえあるが、米国の一部の人間にとっては、気恥ずかしくて演じ続けられなくなったとしても、強情を張って謝罪を拒否しなければならないようだ。これは、米国内における党派対立の悪化の水準と矛盾から目をそらさせる政治家の本能を現している。

 中国政府の発表によると、米国は昨年5月以降、本土から高高度気球を大量に飛ばして世界中を飛び回らせ、少なくとも10回、中国領空を不法に飛行させている。米国はなぜこれについて一言も触れないのに、不可抗力で米領空に誤って入った中国の民間飛行船については過剰反応するのか。これは典型的な米国式ダブルスタンダードの手法だ。

 「高射砲で蚊を撃つ」米国の手法は、唯我独尊で尚武な本性をさらけ出している。米国は建国以来240年余りの中で、戦争をしていないのは16年だけで、無数の人道的悲劇を引き起こしてきた。米国の軍事費の総額は世界一で、それに続く9カ国の合計に相当する。一言合わないだけですぐに腕力に訴える、このような米国は世界最大の混乱の源だ。

 米国の一部の人間は、無人飛行船というカードを利用して中国に条件を出し、自身の利益を図りたかったのだろうが計算違いをした。中国の態度はとても明確で、中米間に問題が生じるのは別に恐ろしくなく、重要なのは、問題を適切に処理する誠意と能力の有無だ。「気球政治ショー」を終わらせたいなら、米国は真の誠意を示すべきであり、国内の政治的需要のために荒唐無稽をことをしたり、「流転の気球」によって中米関係を正しくない方向に進ませたりしてはならない。(CRI論説員)

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