北京
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敦煌にある複数環境対応実験室
中国の北西部に位置する甘粛省敦煌市では、文化財保護の専門家が「複数環境対応実験室」を利用して、土を主たる建築材料とする古代遺跡の保存についての研究を行っています。
西洋に大量の石積みで構築された遺跡が多いのですが、中国では土を突き固めて建築材料にする「版築」という工法が新石器時代から広く使われました。一般的な住宅から宮殿、寺院までが、版築の工法で築かれたのです。土の遺跡を保護するために、亀裂や浸水、微粒子化などの発生原因や予防と修復方法を全面的に研究する必要があります。敦煌研究院は他に先駆けて、同問題に対応するために中国の文化財保護分野において初めての「複数環境対応実験室」を設立しました。同実験室が稼働を開始したのは2020年末でした。
この実験室は延べ床面積が3000平方メートル以上あり、セ氏氷点下30度から60度までの温度、10%から90%までの湿度、さらに風、雨、雪、日照などの中国の各地方の四季の気候を再現することができます。
この実験室を使用することで、現在、甘粛省内のある石窟寺院の砂岩の風化メカニズムや防止・抑制技術の研究をほぼ終えました。次は世界遺産・莫高窟の保存に関する研究活動を実施するとのことです。(任春生、鈴木)