【観察眼】人気ドラマから見る中国の汚職・腐敗撲滅への決意

2023-02-11 18:18:17  CRI

 反社会的勢力や汚職、腐敗は世界各国が直面している共通の難病である。今月初め、東京五輪・パラリンピック関連の贈収賄事件の裁判が東京地方裁判所で開かれた。検察側は高橋治之・元東京五輪・パラ五輪組織委員会理事を含む15人を総額2億円に上る贈収賄に関わっていたとして提訴し、大きな注目を集めている。

 一方、中国では最近、反社会的勢力や汚職、腐敗の取り締まりをテーマにしたドラマが放送され、多くのテレビ局や動画サイトで次々と視聴率の記録を更新し、大ブームを巻き起こしている。『狂飆(The Knockout)』は、反腐敗に関連するスリリングな大事件を題材に、20年にわたる善と悪の抗争を描いたドラマであり、反社会的勢力、汚職、腐敗に断固として立ち向かい、それを一掃する中国共産党や警察などの姿が描かれている。

 このドラマが大ヒットした理由はどこにあるのだろうか。それは、作品自体の出来の良さもあるが、まず何よりも、社会の「悪」を一掃するというテーマが視聴者の心をつかんだといわれている。生活水準が向上するにつれて、中国では安全と公平が人々の大きな関心事項になった。このドラマでは、中国共産党が悪の勢力と戦い、腐敗と戦い、社会の安全と公平を守る決意と行動を示している。

 2018年1月11日、中国共産党中央委員会と国務院は「反社会的勢力撲滅のための特別対策に関する通達」を出し、3年間の特別対策を中国全土でスタートした。その3年間で、中国は反社会的勢力に関わる1万5319の犯罪組織やグループを摘発し、23万7000人の容疑者を逮捕し、犯罪事件に関連する1462億元(約28217億円)の資金を処分した。ドラマ『狂飆』の悪役のメインキャラクターには複数のモデルが存在するが、いずれも今回の反社会的勢力撲滅の特別対策によって摘発されている。

 このような特別対策によって、これまで小さな野菜市場を仕切っていたような輩(やから)から、反社会的勢力をひそかに庇う党や政府の高級幹部まで、多くの犯罪組織の一派が次々と、そして徹底的に撲滅された。市場の秩序もビジネス環境も次第に改善され、人々の満足感、幸福感、安心感はいっそう強化されている。「2022年中国ビジネス環境研究報告」によると、回答した企業の9割以上が中国のビジネス環境について「満足」と評価しており、外資系企業は中国市場に対して引き続き楽観的な見方を示している。

 反社会的勢力の一掃は長期的なプロジェクトであり、粘り強く努力しなければならない。2021年、第14次五カ年計画と2035年までの長期目標綱要には、「反社会的勢力撲滅の恒常化の推進」が盛り込まれた。2022年5月1日、『中華人民共和国反組織的犯罪法』が正式に施行された。これは、組織的犯罪に対する専門的、系統的、全面的な中国初の法律であり、反社会的勢力撲滅の恒常化を保障するものとなる。中国は今後もその恒常化を推進し、人々の生活を守るために努力をしていく。(CMG日本語部論説員)

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