北京
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中国北西部に位置する敦煌は、かつての古代シルクロードの要衝であり、世界四大文明が交わったところでもあります。ここには世界有数の世界文化遺産である莫高窟があります。4世紀から千年以上にわたり、代々の芸術家がここで仏像を彫刻し、壁画を描きました。そして、莫高窟は仏教石窟の芸術の宝庫となったのです。
この貴重な文化財を守るために、数多くの人がここで働いています。韓衛盟さんもその一人です。韓さんは大学卒業後、敦煌研究院美術所に就職し、もう20年近くが過ぎました。韓さんが率いるチームは2017年から、第172窟の全体の修復と模写研究に取り組んでいます。第172窟は約1200年前の盛唐時代の代表的な洞窟です。韓さんのチームは、文物保護や科学研究を担当する政府機関と協力し、科学的手段を活用して、人の目では見ることができない壁画の細部を観察できるようになりました。これは、壁画の修復作業のための科学的な根拠となります。韓さんたちは、近い将来、第172窟の在りし日の姿を人々に見せたいと語っています。
莫高窟の代々の守護者たちは、先達が残した研究成果をもとに、正確な記録と細密な模写を行ってきました。先人が残したこの貴重な文化財を守り、受け継いでいく取り組みはこれからも続きます。(李陽、MN)