注目の映画新作 2023年2月Vol.2

【国産編】

撥浪鼓咚咚響 (Like Father And Son)
公開日：2023年2月25日
監督：白志強（バイ・ジーチャン）
主演：恵王軍（ホイ・ワンジュン）白澤澤（バイ・ズーズー）

　第23回上海国際映画祭（2020）アジア新人賞・最優秀作品へのノミネートを果たした中国映画『撥浪鼓咚咚響 (Like Father And Son)』が、約3年越しに中国本土で一般公開が決定！本作は、人生のやり直しと心の再生をテーマとしており、愛する息子の仇討ちの旅に出かけた男と、父親探しの旅に出かけた男の子が出会い、親子のような感情が芽生えるという感動物語となっています。メガホンを取る白志強（バイ・ジーチャン）監督は、ドキュメンタリーやドラマ、舞台劇など様々なジャンルの作品を送り出し、近年は映画監督としての活動が精力的になっています。日本公開も果たしたオムニバス映画『愛しの故郷（ふるさと）』（2020）において「回郷之路」編を手掛け好評を受けました。また、『撥浪鼓咚咚響（Like Father And Son）』では脚本にも参加しています。本作の舞台である陝西省は白監督の故郷で、劇中には陝西省北部の方言も登場します。主演は、同じく陝西省出身の俳優・恵王軍（ホイ・ワンジュン）で、共演は12歳の若さですでに数々の作品に出演し、頭角を現している子役の白澤澤（バイ・ズーズー）です。日本での公開は未定です。

【洋画編】

マダム・イン・ニューヨーク（中国題：印式英語）
公開日：2023年2月24日
監督：ガウリ・シンデー
主演：シュリデヴィ　メーディ・ネブー　プリヤ・アーナンド　アディル・フセインャン

　中国ですでに人気ジャンルとして定着しているインド映画、その10年前の名作が中国で初公開されます。本作は2012年にインドで公開されたコメディ映画で、英語の苦手なインド人主婦がニューヨークの英会話学校に通うことをきっかけに自信と誇りを取り戻していく姿を描いています。なお、日本語タイトルは『マダム・イン・ニューヨーク』ですが、中国タイトルは『印式英語（インド式英語）』という、趣向が異なるものとなっています。本作は当時、インド映画界の伝説的人気女優、シュリデヴィの15年ぶりの復帰作として注目を集めました。彼女は70年代から90年代にかけて活躍し女優として全盛期を迎え、97年に結婚し休業していましたが、本作で女優活動を再開しました。そして2018年2月24日、彼女は甥の結婚式に出席するため滞在していたアラブ首長国連邦・ドバイのホテルの浴槽内で溺死しているのが見つかりました。インド映画界の象徴ともいえる女優の急逝は、人々に衝撃を与えました。なお、本作は日本では2014年6月に公開され、公開前にはシュリデヴィ本人が来日し、インド大使館での記者会見などプロモーションを行いました。（ミン・イヒョウ、梅田謙）