【CRI時評】大使館再開の米国に必要なのは尊重と平等

2023-02-04 12:21:22  CRI

 米国は30年間閉鎖されていた在ソロモン米大使館を再開した。多くの西側メディアは、これはワシントンが「中国に対抗する」「アジア太平洋地域への関与を強める」ための最新の取り組みだと見ている。

 そうした判断を理解するには、歴史の角度から見る必要がある。1988年、米国はソロモン諸島に正式に大使館を開設した。米政治専門ニュースメディアのポリティコが米国務省広報局歴史部への取材によると、大使館設置の理由の1つに太平洋地域におけるソ連の影響力への「懸念」があったという。ソ連崩壊後、同地域の大使館は1993年に慌ただしく役目を終えた。その後30年近く、米国の地政学的勢力図において、南太平洋地域はずっと注目されていなかった。

 ところが、2022年になって状況が急変した。中国とソロモン諸島は昨年4月、ソロモン諸島の社会の安定と長期的な安定を促進するため、安全保障協力枠組み協定を締結した。だが、この2つの主権国家の間で交わされたごく普通の協力は、米外交の神経を刺激し、これまで見過ごされてきた太平洋の島国が再び米国の視界に入った。

 米国はオーストラリアと手を組んで中国とソロモン諸島の安全保障協力を中傷する一方で、米国家安全保障会議(NSC)のキャンベル・インド太平洋担当調整官にソロモン諸島へ赴かせ、中国とソロモン諸島の協力を阻止しようとした。同時に、米国は多くの高官を太平洋島しょ国に派遣し、ハリス副大統領は南太平洋に大使館を新たに2カ所開設すると発表したほか、ワシントンで第1回米太平洋島しょ国サミットを催した。2022年に米国が太平洋島しょ国に集中的な外交攻勢をかけたことは、南太平洋を抱き込まなければという焦りと不安を浮き彫りにしたとの見方もある。

 「開設」から「閉鎖」へ、そして「再開」に至る30年間、米国がソロモン諸島に「出たり入ったり」したのは、一貫して戦略的不安と地政学的駆け引きの色に染まっていたからだ。

 誠実は、国家間協力の基盤だ。太平洋島しょ国にとって、発展が最大の優先事項であり、必要なのは日和見主義ではなく、外国からの誠意ある援助だ。太平洋島しょ国は大国間の駆け引きの駒になり、犠牲になることを望んでいない。30年間閉鎖していた大使館を再開した米国に対しては、太平洋島しょ国を尊重し、平等な関係を再構築することを切に望む。(CRI論説員)

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