【CRI時評】NATOと一緒に「ダンスを踊る」ことは地域の平和・安定を危うくする

2023-02-01 21:35:47  CRI

 日本の岸田文雄首相と、訪日中だったNATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長は、1月31日夜に発表した共同声明で、海上の安全、サイバー空間、軍備管理などの分野で協力すると表明するとともに、中国の軍事力および台湾問題についても言及した。ストルテンベルグ事務総長は日本に先立ち韓国を訪問した際にも中国に矛先を向け、中国は西側の「価値観や利益、安全保障にとって脅威になっている」と表明した。NATOという冷戦の産物が、米国のいわゆる「インド太平洋戦略」に引きずられ、中国を口実にアジア太平洋に触手を伸ばし、冷戦の亡霊を持ち込んでいる。アジア太平洋地域は、このことに強く警戒すべきだ。

 NATOは世界最大の軍事同盟であり、結成されたその日から、米国が徒党を組んで、集団として対決するための道具でありつづけてきた。冷戦終結に伴いNATOは目標と方向性を失った。フランスのエマニュエル・マクロン大統領はNATOの状況を「脳死」になぞらえた。米国は昨年初頭に勃発したウクライナ危機をきっかけに、NATOを復活させようとたくらんだ。さらにNATOを「コピー・アンド・ペースト」して「アジア太平洋版NATO」を作り、米国の覇権を維持する道具にしようとしている。

 ストルテンベルグ事務総長に続いて米国のロイド・オースティン国防長官も1月30日に韓国を訪れ、米国の「拡大抑止」を強化すると改めて表明した。米国とNATOは中国の「軍事的脅威」を騒ぎ立てつつ、アジアの同盟国と軍事上の連携を実質的に強化している。このことは、アジア太平洋地域に強い不安と安全保障上の脅威をもたらしている。このことはまた、NATOがアジア太平洋化を推進する背後の操り手が米国であることをはっきりと示している。それは、アジア太平洋の同盟国がNATOと結託して、いわゆる「インド太平洋戦略」を推進することを促し、中国を封じ込む安全保障構造を形成することだ。

 一方のアジア太平洋の民意からすれば、圧倒的多数の国は、米国とNATOによる災いを押し付けようとする策謀をはっきりと見抜いて、断固として「ノー」と言っている。NATOは韓国と日本を、自らが覇権を握る野望を実現する鍵と考えているが、日韓はアジアの国家である以上、自らがどのように算盤を弾こうと、NATOと一緒に「ダンスを踊る」ことは狼を部屋に引き入れることであり、最後にはかみつかれることを覚悟せねばならない。アジア太平洋の協力という正道を歩まず、対抗をあおる邪道を行くならば、失敗は避けられない。

 アジア太平洋は大国の格闘場ではない。アジア太平洋の人々は、「新冷戦」をもたらすいかなる企ても承服しない。時代はそれを許さない。(CRI論説員)

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