中国、初の国産COVID-19の3CL標的薬の発売を承認

2023-01-30 15:49:23  CRI

中国初の新型コロナウイルス用国産3CLプロテアーゼ標的薬の発売が承認された

 中国東部江蘇省南京市に拠点を置く製薬企業、先声薬業は29日、同社と中国科学院上海薬物研究所、武漢ウイルス研究所が共同開発した抗新型コロナウイルス(COVID-19)標的薬「先諾欣」が国家薬品監督管理局(NMPA)による薬品特別審査認可手続きに基づいた緊急審査と評価を受けた結果、条件付きの発売許可を得たと発表しました。「先諾欣」について承認されたのは「軽度・中度新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の成人患者」の治療のための利用で、中国の患者により有効な治療の選択肢をもたらすことが期待されます。

 説明によると、「先諾欣」は中国で初めて独自に開発された3CLプロテアーゼ(タンパク分解酵素)を標的とする抗新型コロナウイルス経口薬です。使用する有効成分の一つは新型コロナウイルスが複製のために必要とする3CLプロテアーゼの働きを阻害し、それ以外に少量に使用する成分により体内における3CLプロテアーゼを抑制する成分の代謝や分解を遅らせて、抗ウイルス効果を高めます。3CLプロテアーゼは新型コロナウイルスについて発見された主たるタンパク分解酵素で、ウイルスの複製過程において不可欠です。3CLプロテアーゼは、ウイルスもつ機能していないタンパク質を切断することで、ウイルス増殖のための機能を持たせますが、その切断部位は極めて変化しにくいためにウイルスの突然変異の影響を受けにくい特徴があります。そのため、「先諾欣」は広い範囲のウイルス株に対して有効です。人の体内には3CLと類似したタンパク質がないために、「先諾欣」は選択性と特異性が高い上に、副作用のリスクが小さい特徴があります。「先諾欣」はファイザーのパキロビッドや日本の塩野義製薬のゾコーナと同様の、3CLプロテアーゼ標的薬です。

 研究によると、軽度と中度の新型コロナウイルスの成人感染者に対して「先諾欣」は顕著な抗ウイルス効果を示し、投薬にはウイルス量が急速かつ大幅に減少し、新型コロナウイルス感染症の回復が加速し、完治までの日数を短縮することができます。(ヒガシ、鈴木)

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