中国本土映画興行週間ランキング(2023.1.16–2023.1.22)

2023-01-29 10:16:43  CRI

 コロナ後初となる春節(旧正月)の映画商戦がいよいよスタート!初日を制したのは、2019年の話題作『流転の地球(原題:流浪地球)』の4年ぶりとなる続編『流浪地球2(The Wandering Earth Ⅱ)』。初動記録は、なんと5億元(約95億円)に迫っています。張芸謀(チャン・イーモウ)監督の『狙撃手』以来ちょうど1年ぶりとなる新作『満江紅(Full River Red)』が2位、中国を代表する俳優の梁朝偉(トニー・レオン)や周迅(ジョウ・シュン)、そして今大人気のアイドル・王一博(ワン・イーボウ)らが主演を務めるサスペンス映画『無名(Hidden Blade)』が3位でした。

単位:万元

~作品紹介~

【1位】流浪地球2(The Wandering Earth Ⅱ)
公開日:2023年1月22日
監督:郭帆(グオ・ファン)
主演:呉京(ウー・ジン)李雪健(リー・シュエジェン)劉徳華(アンディ・ラウ)沙溢(シャー・イー)

 劉慈欣(りゅう・じきん)の同名小説を原作とした2019年の話題作『流転の地球(原題:流浪地球)』の続編『流浪地球2(The Wandering Earth Ⅱ)』が1位に君臨。本シリーズは、2000年に発表され日本でも翻訳出版された劉慈欣の短編小説「流浪地球(さまよえる地球)」を映画化したもので、太陽がこの先数百年以内にヘリウム・フラッシュ(大爆発)を起こして赤色巨星化するという危機に直面した人類が、「地球を連れて」太陽系脱出計画に乗り出すというドラマチックなストーリーとなっています。今作は「2」と題する続編ではありますが、物語は前作の前日譚にあたり、人類が未曾有の危機を前に、太陽系脱出計画の「前身」である「移山」計画に挑む様子を描いています。監督は、前作と同じく郭帆(グオ・ファン)が続投し、メインキャストは、前作から続投の呉京(ウー・ジン)のほかは、ほとんどが新たな顔ぶれとなっています。特に、中華圏のトップスター、劉徳華(アンディ・ラウ)が新たに加わったことが大きな注目を集めています。

【2位】満江紅(Full River Red)
公開日:2023年1月22日
監督:張芸謀(チャン・イーモウ)
主演:瀋騰(シェン・タン)易烊千璽(イー・ヤンチェンシー)張譯(チャン・イー)雷佳音(レイ・ジャーイン)王佳怡(ワン・ジャーイー)岳雲鵬(ユエ・ユンポン)

 張芸謀(チャン・イーモウ)監督の『狙撃手』以来ちょうど1年ぶりとなる新作『満江紅(Full River Red)』が2位に初登場。本作は、日本公開も果たした『SHADOW/影武者(原題:影)』(2018)以来、5年ぶりとなる時代劇アクション。タイトルの「満江紅」とは、中国古代の文学作品・宋詩の詞牌のことで、中でも南宋時代の愛国武将・岳飛(がくひ)が書き下ろした『満江紅・怒髮衝冠』が最も有名です。本作はその岳飛にちなんだ物語で、岳飛の死後4年が経ち、姦臣として知られる南宋の宰相・秦檜(しんかい)らが計画していた会談の前夜、悪の勢力を一掃するために集結する正義の男たちの活躍を描いています。主演は、瀋騰(シェン・タン)、易烊千璽(イー・ヤンチェンシー)、張譯(チャン・イー)、雷佳音(レイ・ジャーイン)など第一線で活躍中の俳優が勢ぞろいし、人気漫才師の岳雲鵬(ユエ・ユンポン)もキャスティングされています。日本公開は未定です。

【3位】無名(Hidden Blade)
公開日:2023年1月22日
監督:程耳(チェン・アル)
主演:梁朝偉(トニー・レオン)周迅(ジョウ・シュン)王一博(ワン・イーボウ)王伝君(ワン・チュエンジュン)

 中国を代表する俳優の梁朝偉(トニー・レオン)や周迅(ジョウ・シュン)、そして今大人気のアイドル・王一博(ワン・イーボウ)らが主演を務めるサスペンス映画『無名(Hidden Blade)』が3位にランクイン。日本が真珠湾攻撃を始めた1941年12月7日、その翌日、「汪偽政権」が日本に追随して英米に宣戦布告し、日本も実質的に上海を占拠。太平洋戦争の全面的勃発により、中国での戦況も一変しました。本作はそんな歴史を背景に、中国共産党の情報員が祖国を守るために人知れず活躍する物語を描いています。本作は、同じく日本占領下の上海を舞台に描かれた『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・上海(原題:羅曼蒂克消亡史)』の程耳(チェン・アル)監督が手掛けたもの。2大スターの梁朝偉(トニー・レオン)&王一博(ワン・イーボウ)が初共演している点にも注目です。

【4位】熊出没·伴我“熊芯”(Boonie Bears:Guardian Code)
公開日:2023年1月22日
監督:林永長(リン・ヨンチャン)邵和麒(シャオ・ハーチー)
主演(吹替):張秉君(ジャン・ビンジュン)譚笑(タン・シャオ)張偉(ジャン・ウェイ)

 お正月アニメの定番、「熊出没」シリーズの最新作が初登場4位。本シリーズは中国東北部の山林地帯に住む熊の兄弟「熊大」と「熊二」、それに坊主頭の木こり「光頭強」とのかけがえのない日々を描いたもので、2012年にテレビアニメとしてスタートし、親子連れで楽しめる作品として人気を博しました。本作はシリーズ通算9作目に当たり、主人公たちが振興島という島のロボット研究所を見学した際に、数年前の大火事で生き別れた「熊大」と「熊二」の母の手がかりを見つけるというストーリー。監督はシリーズおなじみであった丁亮(ディン・リャン)から林永長(リン・ヨンチャン)と邵和麒(シャオ・ハーチー)のコンビにバトンタッチ。ボイスキャストは、張偉(ジャン・ウェイ)や張秉君(ジャン・ビンジュン)、譚笑(タン・シャオ)らが続投。

【5位】交換人生(Five Hundred Miles)
公開日:2023年1月22日
監督:蘇倫(スウ・ルン)
主演:雷佳音(レイ・ジャーイン)張小斐(ジャン・シャオフェイ)張宥浩(ジャン・ヨウハオ)沙溢(シャー・イー)劉敏涛(リウ・ミンタオ)丁嘉麗(ディン・ジャーリー)呉彦姝(ウー・イェンシュ)

 今年の春節(旧正月)に公開されるコメディ映画の一つとして注目されていた、数々の人気スターがそろって出演する本作。金好という女性を中心に、彼女の見合い相手の男性・仲達と、金好に片思いをする少年・陸小谷の体が入れ替わり、タイトル通りの「交換人生」を送ることになるというドタバタコメディとなっています。とんでもない恋の嵐に巻き込まれていく3人の行く末はいかに? 主演は、2022年1月に日本公開を果たした中国のアクションファンタジー『ゴッドスレイヤー 神殺しの剣(原題:刺殺小説家)』などの雷佳音(レイ・ジャーイン)、同じく2022年1月に日本公開を果たした『こんにちは、私のお母さん(原題:你好,李煥英)』によって中国全土で大ブレイクした女優の張小斐(ジャン・シャオフェイ)、そして、東野圭吾のベストセラー小説『さまよう刃』を中国で映画化した『彷徨之刃』などの張宥浩(ジャン・ヨウハオ)。雷佳音は、同じく今年の春節映画である張芸謀(チャン・イーモウ)監督の『満江紅(Full River Red)』にも主演しているため、この春節期間中に主演2作品が同時公開という大活躍。メガホンを取っているのは、2018年の超話題作『超時空同居』でも雷佳音とタッグを組んだ若手女性監督の蘇倫(スウ・ルン)です。

【6位】アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(中国題:阿凡達:水之道)
公開日:2022年12月16日
監督:ジェームズ・キャメロン
主演:サム・ワーシントン ゾーイ・サルダナ シガニー・ウィーバー スティーヴン・ラング ケイト・ウィンスレット

 ジェームズ・キャメロン監督作『アバター』の約13年ぶりの続編『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(中国題:阿凡達:水之道)』が中国本土でロングヒットを記録中!本作は第1作の10年後を描いたもので、神秘の星パンドラに人類が再びやってきたことから、パンドラの森で平和に暮らしていた元海兵隊員と先住民の女性たちが海へと逃れる様子を描いています。これは全5作からなる「アバター」シリーズの2作目で、3作目が2024年に公開予定です。

【7位】深海(Deep Sea)
公開日:2023年1月22日
監督:田暁鵬(ティエン・シャオポン)
主演(吹替):蘇鑫(スウ・シン)王亭文(ワン・ティンウェン)

 2018年に日本でも公開されたアニメ映画『西遊記 ヒーロー・イズ・バック(原題:大聖帰来)』(2015)の田暁鵬(ティエン・シャオポン)監督が7年ぶりにカムバック!その最新作は、神秘的な海底世界を旅する一人の少女の冒険と成長をテーマにした3D CGアニメ映画で、実写を彷彿とさせる映像の質感に定評のある田暁鵬監督の持ち味が存分に生かされた1本となっています。ボイスキャストは若手声優の蘇鑫(スウ・シン)や王亭文(ワン・ティンウェン)など。日本での公開は未定です。

【8位】絶望主夫(Better Man)
公開日:2022年12月31日
監督:張琦(ジャン・チー)
主演:常遠(チャン・ユエン)李嘉琦(リー・ジャーチー)魏翔(ウェイ・シャン)王成思(ワン・シーチェン)王寧(ワン・ニン)黄才倫(ホァン・ツァイルン)

 『哥,你好(Give Me Five)』(2022)や『独行月球(Moon Man)』(2022)などコメディ映画界で大活躍中の喜劇団体「開心麻花(カイシンマーファー)」。その所属コメディアンである常遠(チャン・ユエン)主演の最新コメディ『絶望主夫(Better Man)』が絶賛上映中。ささいなきっかけで、「男尊女卑」が「女尊男卑」に、「亭主関白」が「かかあ天下」に入れ替わった「女性至上主義の異世界」に入り込んでしまった「成功学」学者の胡(常遠)が、別人のようになってしまった妻と親友に戸惑いながら、女性至上主義に反旗を翻すことに挑む様子を描く作品です。

【9位】想見你 (Someday or One Day: The Movie)
公開日:2022年12月24日
監督:黄天仁(ホァン・ティエンレン)
主演:柯佳嬿(アリス・クー)許光漢(グレッグ・ハン)施柏宇(パトリック・シー)金世佳(ジン・シージャー)郭文頤(グオ・ウェンイー)

 アジア圏で大ヒットしたドラマ『時をかける愛(原題:想見你)』の続編にあたる劇場版『想見你 (Someday or One Day: The Movie)』が中国本土でトップ10をキープ。劇場版はドラマの続きになっており、主人公3人の葛藤やドラマ版で残された謎の解明といった要素もありながら、新たな物語が始まります。笑いあり涙ありの感動作となっており、このシリーズは初めてという人も十分に楽しめる内容。日本公開は未定です。

【10位】長ぐつをはいたネコと9つの命(中国題:穿靴子的猫2)
公開日:2022年12月23日
監督:ジョエル・クローフォード
主演(吹替):アントニオ・バンデラス サルマ・ハエック オリヴィア・コールマン ハーベイ・ギーエンサムソン・カヨ ヴァグネル・モウラ アンソニー・メンデス ジョン・ムレイニー

 「シュレック」シリーズのスピンオフ作品である『長ぐつをはいたネコ』の続編、『長ぐつをはいたネコと9つの命(中国題:穿靴子的猫2)』が中国本土でトップ10キープ!『長ぐつをはいたネコ』は「シュレック」に登場する猫のキャラクター「プス」が主人公のシリーズで、今作は「猫には九つあるはずの命が、自分には一つしかない」と知ったプスが、命を増やすという願いをかなえるため、「願い星」を探す旅に出る物語です。(ミン・イヒョウ、謙)

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