【観察眼】日本はまだ「平和国家」なのか?!

2023-01-12 13:42:08  CRI

 次のG7サミットで議長国となる日本の岸田文雄首相は1月9日、欧米歴訪をスタートさせた。G7加盟国のうちフランス、イタリア、英国、カナダ、米国を訪れ、各国首脳と会談する。13日には米国でバイデン大統領と会談する予定だ。岸田氏のワシントン訪問は首相就任後初めてであり、今回の欧米歴訪のハイライトとされている。世界的な地政学的緊張の高まりと日本の軍備拡張の動きを背景に、岸田首相の今回の訪問は大きな注目を集めている。

 岸田首相は訪米に先立ち、バイデン氏に多くの「贈り物」を用意した。英国と防衛協定を結び、両国が互いの領土に軍隊を駐留することを認めるなど、米国の対中抑止戦略への積極的な協力もそのひとつだ。しかし、最大の「贈り物」は日本政府が12月16日に審議・可決した改訂版の『国家安全保障戦略』『国家防衛戦略』『防衛力整備計画』だ。この『安保3文書』の発表は、日本の防衛戦略の重大な変容を意味するものであり、「専守防衛」の原則を完全に放棄し、日本国憲法の平和理念から完全に逸脱し、地域の平和と安定に新たな脅威をもたらすものとして懸念されている。

 軍拡目標の達成に向け、『安保3文書』では2023年度から2027年度までの防衛費総額を約43兆円とした。また、2027年度の国内総生産(GDP)に占める防衛費の割合を2%に引き上げる目標を定めている。これまで日本は「防衛費1%枠」を基本的に守ってきた。この基準を遵守するかどうかは、日本が平和主義へのコミットメントを示す重要な指標とされている。これについて、中国国際問題研究院米国研究所の蘇暁暉副所長は、「安全保障の観点から言えば、『反撃能力』の保有であれ、防衛予算の倍増であれ、最近の日本の一連の動きは、中国を主要ターゲットとし続けている」と分析している。日本は中国を封じ込めと抑止の対象と見なすだけでなく、中国を凌駕し、インド太平洋地域でより大きな影響力を持とうとしている。日本の対中圧迫政策は、米国側の戦略配置に積極的に協力するだけでなく、自国の利益の最大化を図るものでもあるのだ。

 13日の日米首脳会談で岸田首相は、『安保3文書』の改定や防衛費の大幅な増額について米側に報告・説明を行い、日米首脳会談を通じて日米同盟のさらなる強化を目指したいとの考えを示した。岸田首相の今回の外遊は、表面的にはG7議長国就任に向けた準備だが、その核心は、現日本政府による「専守防衛」原則の打破、さらには憲法改正といった一連の目標の達成にある。このような事前設定された目標を達成するには、他国、特に米国の支持が必要というわけだ。

 日本のこうした動きを米国も歓迎している。『安保3文書』では、米国志向がより鮮明になり、外交・安保戦略での米国への追随と同調が明らかになっている。これについて、中国国際問題研究院米国研究所の蘇暁暉副所長は、「日本の一連の大きな動きには、独自の計算がある。また、米国の懸念も考慮しながら、日米同盟を基軸とした安全保障や外交政策などを打ち出し、日米関係をさらに密接なものとしている」と分析し、「岸田氏は、米国を今回の最後の訪問地に据えた。これは、歴訪で得た情報をまとめ、米国とのより深い対話に役立てるためだろう」と語った。

 2022年の日本外交は、従来の「米国追従」モデルを継続し、「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」や「日米豪印クアッド(QUAD)」を利用して北大西洋条約機構(NATO)への接近を行った。日本は「専守防衛」の束縛の打破に向かっており、その「平和国家」のイメージを失墜させた。今年、日本はG7議長国を務め、さらに国連安全保障理事会の非常任理事国という重要な役割を担うことになる。分裂主義を排し、多国間主義と平和共存の原則に基づいて各国との対話を進め、地域と世界の平和と安定を守り、調和のとれた国際秩序を再構築することこそ、日本政府が負うべき国際的責任ではないだろうか。(CMG日本語部論説員)

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