雑誌『咬文嚼字』が選んだ2022年の流行語ベスト10

2023-01-09 14:45:43  CRI

 上海文化出版社が発行する月刊誌『咬文嚼字』の編集部が毎年12月初めごろにその年の流行語ベスト10を選出します。

 例年よりちょっと遅く、2022年12月26日、読者の募集、ネットユーザーの投票、専門家とメディアの選出を経て、「咬文嚼字」編集部は「2022年の流行語ベスト10」を発表しました。

一、踔厉奋发、勇毅前行(chuō lì fèn fā yǒng yì qián xíng)

精神を奮い立たせ、勇敢に毅然と前進する

 「踔厉奋发」で精神を奮い立たせ闘志をみなぎらせるという意味。「勇毅前行」は勇敢で毅然と前進するという意味となります。

 社会主義現代化国家を全面的に建設する偉大な実践の中で、「踔厉奋发 勇毅前行」が「ホットワード」となって全社会で流行したのには、中国共産党の指導の下で全国各民族が一致団結し、中華民族の偉大な復興を全面的に推進するために努力奮闘する精神が現われています。

二、中国式现代化(zhōng guó shì xiàn dài huà)中国式現代化

 中国式現代化、中国モデルの現代化という意味です。

 現代化とは、人々が共通に求めるもので、近代以降、中国国民がひたすら追い求めてきた目標でもあります。中国式現代化について、習近平総書記は中国共産党第20回全国代表大会で行った報告で、「中国式現代化とは、中国共産党が指導する社会主義現代化であり、各国の現代化に共通する特徴を持つだけでなく、自らの国情に基づいた中国の特色も備えている」と示唆しました。

三、新赛道(xīn sài dào)新サーキット

 「赛道」とは、サーキット。自動車競技、競馬競技、陸上競技のトラックのことを指します。ここでいう「新赛道」は経済分野の「新サーキット」、新技術、新モデルをコア競争力とする新興産業あるいは業界細分化分野を指し、先導的発展、破壊的(ディスラプティブ)革新、爆発的成長などの特性を持ち、大量の市場と新しい成長機会があり、未来に向かって、躍動性を呈していることを指します。

四、大白(dà bái)新型コロナ対策の防護服を着る人

 「大白」はアメリカのアニメ映画「ベイマックス(中国語訳名:超能陸戦隊)」に登場する、白くて大きいケア・ロボット「ベイマックス」のニックネームとして中国でよく知られています。

 現在は白い隔離防護服を身にまとい、感染症予防抑制の第一線に身を投じる医療従事者およびボランティアを指します。

五、烟火气(yān huǒ qì)人の暮らしの匂い 生気

 「烟火气」とは、食べ物を煮炊きする匂い。転じて、俗っぽさという意味を持つ言葉ですが、最近はネット上などで、プラスの意味合いとして、人の暮らしの匂いや、生気に満ち溢れ、活気がある生活の息吹などを指すようになっています。

六、天花板(tiān huā bǎn)限界 上限

 そもそもは天井という意味です。英語では「天花板」を最高限度、上限に例えています。

 「天花板」は現在、さまざまな分野で使われています。容姿が美しいことを「颜值天花板」、社交性が高いことを「社交天花板」、Eコマースなどで商品の販売促進に優れていることを「带货天花板」などと言います。

七、拿捏(ná nie)把握する 掌握する

 「拿捏」には、把握する、掌握するという意味があります。最近、若い人の間では、「~拿捏得死死的」、つまり、~をしっかりと掌握しているという使い方をよく見かけます。

八、雪糕刺客(xuě gāo cì kè)アイスアサシン

 「雪糕」はアイスキャンディ、アイスクリーム、「刺客」はそもそもは日本語の意味と同じ、刺客や暗殺者という意味です。

 この夏、一般的な価格よりもずいぶんと高いアイス「天价雪糕」が話題になりました。

 庶民的な売店やコンビニなどのアイスケースに置かれた、何の変哲も無いアイスキャンディ。何気なく手に取ってレジに通すと、想像を数倍上回るお値段になってビックリ。でも、売り場に戻すのも恥ずかしくて、そのまま会計してしまう……。

 そんな、アイスアサシン「雪糕刺客」を筆頭に、ネット上では「……刺客」という言い回しが増えています。

九、精神内耗(jīnɡ shén nèi hào)精神的摩擦

 「精神内耗」は精神的、心理的に無用な消耗で、長期的に存在すれば心身の健康に不利です。

 2022年7月、あるブロガーが動画『村に帰って3日間、おじさんが私の精神的消耗を治してくれた』をアップし、一時ネット上を駆け巡りました。「おじさん」は生涯、多くの不幸に見舞われましたが「決して振り返らず」、一度も倒れることなく前向きに生きてきました。「おじさん」の話はブロガーの「精神内耗」を「治した」として、幅広い共感を呼んでいました。

十、沉浸式(chén jìn shì)没入型

 「沉浸式」は没入感、あるいは没入型という意味で、対象に意識が注がれ、他の事が気にならなくなる様子や、その度合いのことを指します。

 未来を代表するといわれる「メタバース」は「没入型仮想現実」技術で「強い没入感」を作り出し、外部の現実世界とは関係せず、時空の制限を乗り越え、仮想環境にいるような感覚的体験を生み出すものです。

ラジオ番組
KANKAN特集